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最終更新日 2019年07月11日
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独立希望者必見!個人店オーナーからの熱いメッセージ

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立ちのみ 竜馬

店主 砂押 資

立ち飲みの伝統を守りながら 今は新橋の活性化に注力したい

砂押 資(Motomu Sunaoshi)

1971年、東京都生まれ。和食の板前だった父親の意向で、16才で料理の世界へ。その後、異業種を経験しながら28才の時、新橋に「立ちのみ 竜馬」を開業。5年後に現在の場所に移転し現在に至る。新橋を盛り上げるオーナーの集まり「新橋ハート」の代表も務める。


2019年6月掲載

今日も多くの人が集う 新橋を代表する立ち飲み

 新橋の路地裏に佇む「立ちのみ 竜馬」。12坪ほど、50人も入ればいっぱいになる立ち飲みだ。例えば、グラスのフチまでなみなみと注がれたウーロンハイは1杯350円。まぐろ中落ちは小鉢にてんこ盛りになって破格の400円。手頃な値段でおいしい酒と気の利いたつまみが楽しめると、連日、サラリーマンを中心に賑わいが絶えない。新橋で立ち飲みと言えば、竜馬――そんな声も聞こえてくるほど。サラリーマンの聖地・新橋のパワースポットとして愛されているお店だ。同店が新橋に登場したのは、今から19年前の2000年。現店舗のほど近くにある5坪の場所で創業し、次第にお客様が溢れて手狭になってきたことから、2005年、現在の場所に移転した。店主の砂押資氏の飲食業のスタートは16才の時。和食の職人だった父親の影響で、割烹へ板前修業に出た。

「料理を始めたのは、自分の意思というよりは親の意向。19才のころ、一度、飲食業以外の世界に触れて視野を広げようと職を転々としました。最終的には中古車ディーラーの仕事に就きましたが、業界の将来性に不安を感じ、やはり飲食業へ戻ることに。そこで、それまで貯めた資金を使って独立しようと決意したんです」

 新橋で開業したのは、同じく父親が新橋で店を経営しており、土地勘があったから。当時28才の砂押氏の貯金はそう多かったわけではなく、料理にも約10年のブランクがある。そんな状況でも開業できる業態を模索し、たどり着いたのが立ち飲みだ。

「1人で切り盛りできて、低投資で開業できる。割烹ほどの調理技術を要求されないし、それよりもアイディア勝負。折しも時代は日本経済のデフレと重なった。ユニクロや100円均一が登場し、とにかく"安いモノ"に注目が集まっていた頃。安価な価格帯の店が流行る......そんな時代背景と自身の状況を照らし合わせ、立ち飲みを始めました」

 そうして、2000年2月、最初は現在の店舗からすぐ近くの5坪ほどの物件でオープンした。

「今でこそ立ち飲みの文化は広まりましたが、当時、今ほど市民権はなかったんです。立ち飲みと言えば、日雇い労働者が集い、安酒を飲む場所というイメージ。新橋の企業で働くサラリーマンには馴染まないだろうと思いました。そこで、店内はインテリアを工夫し、オシャレな雰囲気を演出。なおかつおいしい酒とつまみがリーズナブルに楽しめるとくれば、サラリーマンや女性も立ち寄りやすいはず。従来のイメージを覆す、新たなタイプの立ち飲みを目指しました」

 入口は、あえて高級感あるバーのような扉を設えた。最初こそ、その扉を見て「入りにくい」という声があったものの、やがて物珍しさから女性客が入ってくるようになった。「女性はオシャレなものに敏感で好奇心旺盛。彼女たちが『立ち飲みというだけでこんなにおいしくて安いなんて!』と評価してくれるようになった。やがて、その女性客が男性客を連れてくるようになりました」

 「酒場放浪記」で知られる作家、吉田類氏の書籍で紹介されたことも追い風となった。それを皮切りに多数のメディアで取り上げられ、店は軌道に乗っていったという。

「吉田類さんは高知県出身なので、高知の偉人、坂本竜馬の名前を冠した店ということで来店してくれたそうです。おこがましいとは思うのですが、実はこの『竜馬』という名前は、幕末に坂本竜馬が行った革新と、立ち飲みの新しいスタイルを打ち出した当店を重ねて命名しました」

 「立ちのみ 竜馬」の開業から遅れること3~4年、世の中に立ち飲みブームが到来。新橋でも多くの立ち飲みが続々とオープンした。「立ちのみ 竜馬」は、その先駆けと言えるのではないだろうか。

「先駆けだなんて、そんな偉そうなことは言えないです(笑)。ただ、付き合いのある不動産会社から、『立ち飲み店の開業希望者が物件を探しにくるが、皆、口をそろえて"竜馬みたいな立ち飲みをやりたい"と言うんだよ』と言われたときは嬉しかったですね。この一言は、今も励みとなっています」

時代が変わっても守り続ける

立ち飲み屋としての矜持

 オープンして19年。その間、時代が流れ、チェーンの立ち飲みが登場したり、バルのブームが来たりと、立ち飲みの概念も徐々に変化していった。それでも「立ちのみ 竜馬」は昔ながらの立ち飲みの在り方を貫いているという。

「混雑してきたら、カウンターに対して半身になる、通称『ダークダックススタイル』という姿勢で飲む、注文をせずにだらだら長居はしない......昔から、立ち飲みにはこういった独自のルールが存在します。お客様からしたら窮屈かもしれませんが、だからこそ手頃な値段で楽しめるようになっている。それが、立ち飲みが成り立っている仕組みなんです。お店とお客様は、持ちつ持たれつの関係。時代が変わっても、この考えは変えずにやっていくつもりです」

 もう一つ、砂押氏が考える立ち飲みの醍醐味がある。それはお客様同士のコミュニケーションだ。同じ空間で肩を寄せ合いながらお酒を飲めば、隣り合った客同士、自然と会話が生まれる。それがときにはビジネスにつながったり、ときには恋愛に発展したりすることもあるという。「立ちのみ 竜馬」で出会って結婚したカップルは、砂押氏が把握しているだけでも17組はいるのだとか。

「立ち飲みの中で生まれるお客様同士の交流も、お店が提供する価値のひとつ。多くの立ち飲み屋があるなかで生き残るカギは、このコミュニケーションを提供できるかどうかだと長年の経験から感じています。当店では店休日にお客様やスタッフを集めて、飲み会やBBQ、スカイダイビングなどのイベントを頻繁に開催して交流を促しています。おかげで休みがない(笑)。でも、お客様同士のみならず、私や他のスタッフもお客様と顔なじみになることで、やりがいが増すし、楽しく働けると思うんです」

砂押氏が考える店主としての心得0

砂押氏が考える店主としての心得

01 現場に立ち、嗅覚を敏感に

02 お客様を楽しませることを念頭に行動

03 時代に迎合せず、立ち飲みの伝統は守る

土地を元気にして商売繁盛! 新橋に再び賑わいを作りたい

 今、砂押氏が注力しているのは、新橋を盛り上げること。近隣の飲食店をはじめとするオーナー約30人を集めて、砂押氏を中心に「新橋ハート」と名付けた活動を行っている。

「近年、新橋はお酒を飲む人が減り、以前ほど街に元気がない。土地が盛り上がらないと自分の商売も繁盛しない......考えを同じくする人達で集まって、新橋を盛り上げるプロモーションビデオを作ったり、各店の常連を集めて大きな忘年会を開催したりしています。将来的には、さらに店舗を増やし、海外出店も考えていますが、それよりも今は足元を見据えて、地域活性化に取り組んでいきたいですね」

立ちのみ 竜馬

立ちのみ 竜馬

住 所:東京都港区新橋2-13-3 ALC.BID 1F

電 話:03-3591-1757

時 間:【月~木】16:30~23:30(L.O)
【 金 】16:30~翌0:30(L.O)
【 土 】17:00~23:00(L.O)

定休日:日曜・祝日

交 通:各線「新橋駅」より徒歩4分

文:大関 愛美 写真:ボクダ 茂

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