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最終更新日 2018年10月18日

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独立希望者必見!個人店オーナーからの熱いメッセージ

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猿蔵

オーナー 林徳隆

お客様を1組も喜ばせられなければ、満席でも意味のない1日になります。

いつも笑顔でお店に立って 人の輪をつなげていきたい

林 徳隆(Noritaka Hayashi)

1975年、東京都生まれ。実家が和食店を営んでいたことから、大学在学中より四ッ谷の小料理屋で修行を始める。その後、荻窪の和食店でさらに経験を積む。2000年、店名を「猿蔵」と改め、実家の和食店を引き継ぐ。2012年、2店舗目となる「魚猿」をオープン。

2016年11月掲載

大人がくつろげる和みの空間 個室の1つ1つに物語がある

 吉祥寺・サンロード商店街の中ほど、大人たちを満足させる和みの空間が広がっている。「猿蔵」は新潟の漁港から直送される魚と越後の地酒が評判の有名店。店内のほとんどの席は個室で、ゆったりとくつろぎながら本格和食を楽しめる。

「個室の1つ1つに物語があります。接待がうまく運ぶように気をつかったり、デートならギャグで場を和ませたり、ときには人生相談の相手になったり、誕生日の方には"お誕生日モード"に切り替えます。お客様が心から楽しんで、また来たくなる雰囲気に持っていきたいですね」

 そう語るオーナーの林氏は、まさにサービスのプロフェッショナル。2店舗を運営する現在も、ホールの責任者の役割を自ら担っている。 「お客様の要望を直接聞いて、こういうものが求められていると、スタッフに伝える橋渡し役でもあります。フロアから店全体を見渡せば、『おいしかった』の声に満足するだけではなく、次はこういうふうに提供しようと考えられるようになり、自分の引き出しが増えていきました」

 30才の頃よりフロアに立ち続けて早10年。調理に専念したのは20代まで、それまでに料理の基礎をすべて習得してきたと振り返る。

 もともと、林氏は会計学科出身で税理士志望。飲食の仕事に関心もなく、いきなり板前修業を始めることになったのは20才のときだった。 「父の経営していた和食店の存続が危うくなってきたのです。子どもの頃から親しんだ場所がなくなるのはどうなんだと自分に問いかけ、小料理屋に修業に出ようと決めました。とりあえず、必死でしたね。今がんばらなければと、包丁の使い方やごはんの盛り方から教わりました。板前の修業は全部が全部大変。楽なことなんて、1つもありませんでした」

 その後、さらに和食店で経験を積み、店を引き継ぐ。調理の技術は身につけたものの、経営の知識は皆無。ほぼゼロの状態から、林氏は「猿蔵」の第一歩を踏み出した。

1日1組でも満足してもらえば

1年で365組のお客様になる

 以前の店も同業態の和食店。看板をかけ替えただけで突然、流れが変わるはずもない。それでも、林氏はポジティブに店づくりに取り組んだ。 「前は、ガチガチの板前が手がける店でした。もっと気取らずに、和食を楽しんでいただきたい。手間ひまかけても、それを感じさせない店を目指しました。懐石などにこだわらなくても本物の和食を味わえる、こういう形もあるということをお客様に知ってもらいたいと思いました」

 その想いはじわじわと、しかし、確実に人々に伝わっていった。開店当初、「石橋を叩いて渡る」くらいの気持ちで始めたという、林氏の慎重な姿勢が功を奏したのだろう。 「前年より1円でも売上が良ければ、プラスとしました。たとえ1日1組のお客様でも満足していただければ、1年は365日。年に365組のお客様をゲットできるでしょう。そのように考えれば、ずっと右肩上がり。売上は毎月の通信簿のようなものです。お客様が少しずつついてきてくださるのがわかりました」

 さらには、8年ほど前から新潟に特化した食材を取り入れ、郷土料理を提供。他にはない新鮮な海の幸を味わえる店としてパワーアップを果たす。大震災後の一時的な落ち込みはあったものの、最大のピンチを乗り越えた後は売上も客数も大幅上昇。繁盛店へと着実に進化していった。

 そして2012年、同じ吉祥寺、林氏の目が届く徒歩数分のところに2店舗目の「魚猿」をオープンする。 「いつかはカウンターのある店を持ちたいと考えていたのを、ようやく実現できました。それに一方を見に行けば、オーナーが店にいない状況がつくれるということもあります。スタッフには皆、独立を目指してほしい。そのためにも、自分で考えて動く力をつけてもらいたいと思ったからです。うれしいことにそうして腕を上げ、巣立っていったメンバーもいます。ただその先を考えて募集をしていなかったので、今になって、あわてているんですけれどね(笑)」

高倉氏が考える経営三箇条

林氏が考える経営三箇条

01 誰よりも一番元気に!

02 生産者とお客様をつなぐ

03 若い世代を育てる

日本の伝統文化である和食を次世代へと伝えていきたい

 1日1組のお客様に満足していただく――その十数年の積み重ねが今の「猿蔵」には厳然と存在する。客足が引きも切らず、吉祥寺の人気店として定着している。改めて、現在の仕事のやりがいを林氏にたずねると、明快な答えが返ってきた。 「やりがいはお客様を楽しませること。たとえ満席になったとしても、1組も喜ばせられなければ、意味のない1日になってしまいます」

 充実した日々を送る中、とりわけ満ち足りた気持ちになれる瞬間は年の瀬。意外にも、多忙を極める忘年会シーズンにあるのだとか。 「忘年会は一番気に入っているお店に行きたいじゃないですか。毎年、同じ方たちに『最後はここでシメたいよね』と言っていただいています。『いいものを頼むよ』と高めの予算を組まれると、それ以上の原価オーバーするものをお出しして、つい無茶してしまったり(笑)。でも、その場限りではないですから。お客様の喜ばれる顔を見て、今年もがんばったなと感じる。そこから、また新しい年のお付き合いが始まります」

 年末だからといってやっつけ仕事にせず、感謝の想いをこめて対応する――その真摯な姿勢はスタッフの間にも自然に浸透。定着率も高く、10年以上勤めるメンバーも多い。 「料理はもちろん、お客様の楽しませ方や店の経営についてもスタッフと話のキャッチボールをしながら、一緒に考えて進めています」

 昔ながらの厳しい修業を積んできた林氏だが、柔軟な考え方で人材育成に取り組んでいる。和食を継承したいという強い想いがあるからだ。 「最終的には全部覚えなければならないのですから、この次はこれという順番もありません。まずは、本人のやりたいことから始めればいい。失敗しても、数をたくさんこなせば必ずできるようになるものです。出汁のひき方から何から、ちゃんとしたものを教えたいと思っています。日本の伝統文化である和食を守り、次世代へと伝えていきたいですね」

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猿蔵

住 所:東京都武蔵野市吉祥寺本町1-13-1 板谷ビルB1F

電 話:0422-22-8511

時 間:【昼】11:30~15:00
【夜】17:00~23:30(食事L.O.22:30/ドリンクL.O.23:00)

定休日:年中無休

交 通:各線「吉祥寺駅」北口より徒歩3分

文:西田 知子 写真:yama

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