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株式会社 DREAM ON
代表取締役社長 CEO 赤塚 元気
スタッフみんなとの距離を縮めて、
温かい血の通った経営を貫く。
赤塚 元気
– Genki Akatsuka –
1976年、愛知県一宮市生まれ。学生時代、下北沢の人気居酒屋「汁べゑ」(楽コーポレーション)でのアルバイト経験を機に、飲食の道を志す。地元一宮で基盤を固めて、2013年に東京進出。居酒屋甲子園では、2度の日本一に輝く。現在、愛知・東京で居酒屋やバル、イタリアン、カフェなど幅広い業態の17店舗を展開。
2020年4月掲載
一番の強みはスタッフの人間力 笑顔と挨拶がいい店は数字も上昇
いかにも恵比寿らしい、N.Y.スタイルのスタイリッシュな扉の向こうから、元気な挨拶の声が聞こえてきた。DREAM ONが運営するカフェ「エスプレッソディーワークス」の店内は、明るい雰囲気に溢れており、スタッフ1人ひとり、仕事を楽しんでいるのが伝わってくる。
愛知と東京で17店舗、多様な業態を手がける代表の赤塚氏は「バルもイタリアンも居酒屋も、当社の店の一番の強みは人間力です」と断言する。
「お客様に選ばれるのもこの空気感があってのこと。人と人とのコミュニケーションが他の店とは違うと感じていただくことで、多くのリピートにつながっているのだと思います。実際に笑顔と挨拶がいい店は、売上の数字も上がっているんですよ」
その抜きん出た接客力を支えているのが同社の人材育成。社員はもちろん、アルバイトスタッフにも手厚い教育を施している。
「最終的にお客様に商品を届けるサービスのスタッフの多くは、アルバイトが占めています。食材の生産者の想い、料理をつくるシェフの想い、一皿にいろいろな人たちの想いが込められているのに、何も知らないスタッフが無愛想にサービスをしていたら、どう受け止められるか。アルバイトスタッフの教育なくして、価値の高い店はつくれません」
そんな同社では、月に一度の研修会をはじめ、様々な教育制度が充実。みんなで学ぶ仕組みが整っている。
「研修会には高校生のアルバイトも参加するので、社会人としてのマナーやサービス業の心がまえなど、幅広く学びます。会社のバイブルをつくって、今年の方針や数字を共有し、営業前に読み合わせることも行なっています。ただ、マニュアルっぽくならないように、ロールプレイングを取り入れて実践。全員で考えながら身につけ、よりリアリティのある教育にしています」
一方、将来、独立を目指す人などを対象とした、”ドリームオン・ユニバーシティ”は自由参加。大学の講座のように専門的な知識を習得する。
「労務環境が整った今、労働時間も短くなってきているので、余った時間をどう有効に使うか。経営や財務についての講座など、将来、役立ちそうなものを学べるよう選択肢を与えています。いくつも受講する人もいれば、中には全く受けない人も。選択は自由ですが『頑張ったら頑張っただけの人生になるよ』と、みんなに伝えています」
この他にも、業務の一環として覆面調査や衛生検査などのチーム活動を実施。ボウリングやダーツを楽しむ会やゲームやワインの同好の士が集うサークル活動など、学ぶだけではない遊びながらコミュニケーションを深める場も数多く用意している。
この店が好き、会社が好きという 想いがモチベーションにつながる
これらの多方面にわたるサポートを通して、人間関係が築かれ、スタッフの誰もが顔見知りとなり、チームの結束が強くなる。ES向上がCSの向上 に直結していると、赤塚氏は語る。
「この店が好き、この会社が好きという環境づくりが大切。そういう想いが仕事のモチベーションにつながります。スタッフには10年以上勤めてくれている人が何人もいて、中には20年以上の人もいます。業態が異なる店舗への異動にも、みんなお互いに知っているので拒否反応がない。むしろ自分の新しい引き出しを増やすチャンスと前向きにとらえてくれているようです」
密なコミュニケーションはスタッフ間に限ったことではない。トップとの距離の近さも、ドリームオンならでは。昨年は”元気とデート”という特別企画を毎月、行なっていたのだとか。
「何人かと丸1日、一緒に遊ぶという企画です。集合場所だけ決めて、サプライズで予約の取れない店に連れて行ったり、『今から博多へ行きます!』というのもやりました。みんなと離れないように、しょっちゅう飲みに行くし、直で話す機会も多いんですよ」
さらに、ここまで店舗拡大した今もなお赤塚氏は現場に立ち続ける。オープンから2、3ヶ月間は必ず新店のメンバーとともに働いている。
「朝の出勤から最後まで、みんなと同じように料理も洗いものもします。一緒に大変な立ち上げを経験すると、距離が縮まり、組織に血が通い始めます。いろいろな経営者の方から『なぜスタッフのモチベーションが高いの?』とよく聞かれるのですが、血が通い、想いが伝わっているからです」
20店舗を超えても、現場でバリバリ働く社長でいたいという。温かい血の通った経営を貫く赤塚氏だからこそのスタッフとのエピソードがある。
「期待していた社員がすごく悩んで辞めるとなったとき、『話をしようよ』と一宮の自宅まで連れて行きました。夜中まで飲んで、翌朝にはうちの子どもと一緒に朝ごはんを食べさせたり、普通の家庭の生活をしながら悩みを聞いてあげました。アドバイスなんてしません。ただ、『大変だったな。ありがとう』くらいしか言わなかったけれど、またやる気になってくれました。言葉にしなくても、きみは家族なんだという想いを感じてくれたのかもしれません。今では、彼はスーパーバイザーとして活躍してくれています」
社長をたくさん輩出していきたい
前向きなチャレンジを全力で応援
現在、ドリームオンは上場を目指して邁進中。M&Aを積極的に活用し、事業の拡大を図っている。
「社長の肩書きを持つ人間をたくさんつくっていきたいと思っています。自分が社長になるのを想像したこともないという人がほとんどかもしれませんが、誰もが社長への憧れは持っているはず。独立して社長になるのもいいし、当社の子会社の社長になるのもいい。今後は、M&Aした会社の社長になるというケースも出てくるでしょう。それまで自分のことだけを考えていた人間でも、社長になれば社員全員のことを考えるようになります。大勢の人たちの幸せを願うのはとても幸せなこと。自分自身、社長として幸せだなと感じているので、この幸せをみんなにも味わわせてあげたいのです」
店舗拡大のスピードも加速。今年の5~7月に、銀座・渋谷・横浜・名古屋に4店舗の出店が決定している。
「新店のプロジェクトに参加したい人に手を挙げてもらって、そのメンバーで立ち上げます。明日も、静岡のクラフトビール工場にオリジナルビールを造りに行ってきます。自分たちでどのような店にするのかを考えて、自分たちでビールを造り、それを店で売る。企画からもの造りまで体験するからこそ、みんなが思い入れのある店になるのです。前向きな挑戦は全力で応援する会社です。今、転職を考えている人たちの中にはせっかくのスキルを活かしきれず、自分で限界を決めてしまっている人も多いのでは。新鮮な気持ちで、夢を持って、新しいチャレンジの場にしてもらいたいですね」
エスプレッソ ディー ワークス(取材店舗)
株式会社 DREAM ON
─ 店舗情報 ─
エスプレッソ ディー ワークス
住 所:渋谷区恵比寿1-22-19 プライムメゾン1F
電 話:03-6447-7277
DRA 7
住 所:新宿区西新宿7-11-15 ミヤコビル1F
電 話:050-5595-6311
MEATBANK×EDW
住 所:渋谷区宇田川町31-1 アンニュー6F
電 話:070-4038-3847
エスプレッソ D ワークス 渋谷
住 所:渋谷区宇田川町26-5 育真ビルB1F
電 話:03-6712-7844
パンチョス
住 所:渋谷区道玄坂2-10-12 新大宋ビル3号館1F
電 話:03-6427-8393
レッジャーノ
住 所:渋谷区恵比寿1-22-19 プライムメゾン1F
電 話:03-6447-7272
渋DRA
住 所:渋谷区渋谷1-25-6
渋谷パークサイド共同ビルB1F
電 話:03-6427-1447
他、現在17店舗展開中
文:西田 知子 写真:吉川 綾子
2020年04月02日 掲載
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