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ORES company Co., Ltd.
代表取締役 山本 昇平
“一緒に働く仲間が幸せであるために”
基本理念はこれからも、変わらない
山本 昇平
– Shohei Yamamoto –
1981年生まれ、香川県出身。東京電気大学を卒業後、飲食企業に入社。同社の独立支援制度を利用して、入社後わずか1年で恵比寿に「俺のハンバーグ山本」をオープン。その後、2016年「山本のハンバーグ」に改名し、現在も絶大な知名度と信頼度を誇るハンバーグ専門店として、店舗を増やしながら活躍の場を広げている。
2019年12月掲載
会社を設立して来年で満15年 改めて、スタートを振り返る……
行列のできるハンバーグ専門店として確固たる地位を築いている『山本のハンバーグ』。いちから手作りのハンバーグを、焼きたての状態でお客様にお届けする……そのシンプルでありながら、深いこだわりはオープン当時から続いている。この店名にもなっているオーナーの山本氏は、2020年でオーナー歴15年を迎える。若干23才という若さで独立を果たした山本氏が飲食の世界へと足を踏み入れたきっかけはというと……。
「小中高はもちろん、大学に入ってからもとくに飲食の世界に興味を持ったことはありませんでした。ただ、大学でのアルバイトが飲食で、そこでいい仲間にめぐり合えたこともあって、頭のどこかで漠然と飲食の仕事は楽しい……という考えはありましたね」
そんな山本氏が、飲食業界で働くことをリアルに考え出したのは、大学3年生のとき、就職活動がはじまってからのことだった。
「これまでは、中学を卒業すれば高校、高校を卒業すれば大学……とある程度、まわりの友達と同じ流れを歩んでいくことが自然だった。でも、大学卒業後の進路は全員がバラバラ。だからこそ自分がしたいことは何なのか……で、すごく悩みました。悩んでも興味のある仕事が浮かばず、それなら、アルバイトで経験していた飲食関係がいいかもしれないと思い始めたんです」
もともと、人をもてなすことが好きだった山本氏は、当時のカフェブームにひとつの可能性を感じていた。
「あの頃のカフェって、経営者の個性=お店という感じで、飲むためのカフェ、スイーツだけのカフェなど、種類もいろいろあったんです。カフェは個人の表現の場だという認識が僕の中にもあって、それってすごく楽しそうだと感じたんですよね。自分のカフェを持って、人をもてなしたい! それが飲食業界に進むきっかけでした」
こうして山本氏は大学卒業後、独立支援制度が整っている飲食企業に就職。そしてわずか1年で山本氏の企画書が認められ、恵比寿に『俺のハンバーグ山本』がオープンする。
「実は企画書を出す段階ではカフェだったんです。でも、何かウリになるメニューを考えなくてはならない……となったとき、幅広い年令の方に愛されるメニューを……と思い、ハンバーグという答えが導き出されました」
社長になってすぐの頃と、現在 ブレないことと、変化したこと
お子様ランチの中にも入っていて、きちんとしたレストランのメニューにもあるハンバーグは、山本氏にとっても特別な食べ物だった。
「子どもの頃、母親が『今日はハンバーグよ』と言う日は朝からウキウキするし、目の前にハンバーグが出てくると、すごくハッピーな気持ちになる。そんなハンバーグがメインメニューならば、お客様に楽しい時間を過ごしてもらえると考えたんです。ハンバーグがメインのカフェ……お店のコンセプトは僕の中でかたまっていました」
ではなぜ、お店の名前に自分の名前を入れたのか。そこにも山本氏なりの考えがあった。
「カフェっぽくない名前ですよね(笑)。でも、自分の個性でつくるハンバーグをお店のウリにしたかった。全員が全員おいしいと思うかわからないけれど、僕がおいしいと思うハンバーグを出すよ、それが『俺のハンバーグ』。じゃあ、そのハンバーグは誰が作ったの? その答えは僕、『山本』。そんな単純なはじまりです。店名はカフェっぽくありませんが、内装は洋食屋さんやファミレスとは一味違う、もう少し落ち着くようなホームっぽいものにしました。そこにちょっとでもカフェ感を残したかったんです。僕はしつこい性格なので(笑)」
こうして完成した山本氏のハンバーグは、大反響を呼び、瞬く間に人気店へと成長していった。2016年には『山本のハンバーグ』に改名、現在は直営店が8店舗、暖簾分けやフランチャイズが7店舗、さらには台湾への海外出店など、幅広く展開している。
進化し続ける『山本のハンバーグ』の舵を取る、山本氏には15年前から変わらない思いがある。
「一緒に働いている仲間たちにとっていい会社であるように舵取りをしたいという思いはずっとブレませんね。そして、お客様にとっては安心して、楽しく食事のできる場所を提供するということ。味がおいしいというのは、飲食店をやっているかぎり、大前提の話ですから。この2点に関しては、これからも変わることはないと思います」
反対に、変わったこともある……と山本氏の話は続く。
「以前から、従業員を幸せにしたいという気持ちは変わってないんですが、一緒に働いているからこそ、大変なことすら楽しいという考えだった。今でいう、働き方改革という視点は一切ありませんでした。どんなに忙しくても楽しいのだからいい……みたいな。大げさにいうとそんな感じで。でも年月が経ち、いろんな人と関わっていくうちに労働環境をきちんと整えないと飲食業界で働きたいと思ってくれる人がどんどん減ってしまうということに気づいたんです」
飲食業界の未来に望む、強い思い
そして、これからの展望について
今の山本氏は、自分たちの会社だけではなく、飲食業界という広い視点から働き方や今後の動きを考えている。
「これから働くことを考える人たちって、日本で働くかも含めて、視野がとにかく広い。その中でも飲食業界を選ぶ人はまだまだ少ないと思うんです。だからこそ、飲食業界を選んでもらえる働き方改革を僕なりに考えないといけないと思っています。IT企業は一人でも何千万円の利益をあげられますが、飲食業界では、それは無理な話で、仲間が不可欠。でも、だからこそそこに楽しさがあると考えています」
飲食業界が発展するために山本氏ができること。
そのひとつが、暖簾分けのお店を出し続けること……だと山本氏は言う。
「直営店を都内に増やすよりも、暖簾分けをしていけば、どんどん下の子たちにもチャンスが増えて、自分の店を持つという夢が叶いやすくなる。そのお手伝いをしたいんです。飲食店って、お店づくりからメニュー構成まですべてを自分で考えてお客様をもてなすことができる、こんなに楽しい業界はほかにはないので、そこに金銭面の安定が備われば未来に夢があると思うんです。そして、海外にハンバーグのプレゼンテーションをしたい……という今後の夢もまたひとつあります」
『山本のハンバーグ』の山本氏は、自分たちのお店のことだけでなく、飲食業界全体を見据えて動いている。
この動きは、いずれ飲食業界の未来を輝かせるものになるかもしれない。
いや、きっと輝かせるものになるだろう。
山本のハンバーグ 新橋食堂(取材店舗)
ORES company Co., Ltd.
─ 店舗情報 ─
山本のハンバーグ 新橋食堂/つくね山本
住 所:港区新橋2-4-5 不二ビルディング新橋1F
電 話:03-6257-3880
山本のハンバーグ 恵比寿本店/捏 山本
住 所:渋谷区恵比寿4-23-12 茗荷原ビル1F
電 話:03-6455-7170
山本のハンバーグ 渋谷食堂
住 所:渋谷区渋谷3-6-18 第4矢木ビル1F
電 話:03-6427-3221
山本のハンバーグ 高田馬場
住 所:東京都新宿区高田馬場3-2-2 青柳ビル2F
電 話:03-6279-1118
山本のハンバーグ 吉祥寺
住 所:武蔵野市吉祥寺本町 2-13-4 1F
電 話:0422-27-2761
山本のハンバーグ 自由が丘
住 所:目黒区自由が丘1-13-4
電 話:03-6421-2241
山本のハンバーグ 大岡山
住 所:大田区北千束1-40-2 Gハウス
電 話:03-6421-2991
山本のハンバーグ 中目黒食堂
住 所:目黒区青葉台1-28-7
電 話:03-5734-1611
他、現在5店舗展開中
文:安藤 陽子 写真:ボクダ 茂
2019年12月19日 掲載
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