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有限会社 STPDファーストゲート

取締役社長 金井 秀樹

成功のカギは、課題を追求し
自分の答えを見つけること

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金井 秀樹
– Hideki Kanai –

1967年、東京都生まれ。大学中退後、仕出し弁当店、イタリアン、中華、洋食、和食などをかけもちで経験。母親が経営していた「お好み焼き屋」を24才で引き継ぎ、500万円の自己資金を投入してリニューアルオープン。28才で神楽坂に「はじめの一っぽ」をオープン。法人化へ組織変更。全6店舗を展開。コンサルティングでも活躍中。

2019年7月掲載

25年の経験から得た答えは どんな本にも書かれていない

 新宿御苑の路地裏にある「ハンバーグ ウィル」。岩手県産高級銘柄豚「岩中豚」100%で作る柔らかくジューシーなハンバーグは、開店から12年経った今もファンが増え続け、行列ができる人気ぶりだ。

 金井 秀樹氏は、「路地裏小さな飲食店研究所 ㈲STPDファーストゲート」代表として、他にもにんにく料理「はじめの一っぽ」など6店舗を経営、今年7月には新宿御苑に「ハンバーグ ウィル」のテイクアウト・デリバリー専門店をオープン。また、自身の経営者としての経験を活かし、独立支援サポート事業や個人店向け飲食店経営コンサルティングも行っている。金井氏は以前にも本誌に登場し、「根性や精神論ではなく、きちんと利益をだすレストラン」について持論を展開。その記事には読者から多くの反響があった。

 あれから4年、同社のその後について話を聞いた。

「私たちの経営理念である『All for everyone’s smile!、全ては皆の笑顔の為に』は、28才で今の会社を始めたときから変わりません。経営とは、会社側、お客様側、スタッフ側などすべての立場から見て、会社がどうあるべきかを考えることです。お客様の満足度が高くても、スタッフに対する満足度が低いというような”何かを提供するかわりに、何かが犠牲になる”経営は、やがて疲弊し、存続するのは難しい。なので、何かアクションを起こす際は、そのメリットにともなうマイナス面や犠牲、負荷を同時に考え、なくしていかなければなりません」

 その「理念」に至ったいきさつを聞くと、苦笑いしながら答えてくれた。

「これまで、私は人様に『理念』だ、『使命』だと大上段から言えるような生き方をしてきたわけではないんです。独立したばかりの20代前半は、『人に指図されない人生を送りたい』なんて思っていたし。けれど実際に経営をやりだすと、次から次へと課題が生じ、厳しい現実が待っていて……これまで、目の前の課題一つひとつに向き合い、咀嚼し、自分なりに答えを出していくことが私のすべてであり、やっとでした。今の私たちが目指す会社の姿、『全ては皆の笑顔の為に』は、そうやって出した答えの一つです。結局は、それが会社を存続させる一番の道だと思っています」

 立ちはだかる課題への解決策が見出せず、終わっていく飲食店も多い。金井氏はどのようにして、課題を解決してきたのだろうか。

「私はもともと好奇心が旺盛で、目の前の課題について『なぜ、こうなるんだろう』と追求するほうなんです。課題をとことん追求すると、自分なりの答えが見えてくるのですが、面白いことに、似ている課題でも答えが全く異なっていたり、全く異なる課題で同じ答えが導き出せたりします。これまでたくさんの経営本を読みましたが、自分で出した答えは、そこに書かれていないことばかりでした」

足を運ぶほど魅力的な店なら路地裏が必然性になる

 金井氏のもとには日々、独立をめざす若者が訪れる。

「面接に来る方の8割は、将来独立を考えています。数年後に独立してしまうことを考えると複雑な気持ちではありますが(笑)、一方で、それだけやる気があるということだし、私も若い頃はそうだったので、全力で応援したいと思っています。人生は会社ではなく、自分のものだから、自分のために頑張らないとね。そういえば、スタッフに向けてこんなものを作ったんですよ」

 そう言って、金井氏は「経営計画書」と書かれた冊子を特別に見せてくれた。そこには経営計画とともに、金井氏がこれまで得た数々の知見が盛り込まれている。

「最初に、私たちが路地裏の小さな飲食店に経営を特化する理由を書いています。実は昔、店前通行量の多い場所に、初期投資をかけ、デザイナーを入れたかっこいい店を出したものの、『お客様は来るけど、収益が上がらない』という難しい状況に陥ったことがあるんです。このときも私はとことん考え、仮説を立て、それを検証していきました。その結果、魅力的な業態ができれば路地裏でも十分成功できることがわかったんです。お客様がわざわざ足を運んでくださるような魅力的な店であれば、路地裏であることが”不利”ではなく”必然”にもなるのだと」

下山 雄司さん

「楽しむ」、「慣れる」の次に
「飽きる」のか、「定着」するのか

 路地裏にあっても、お客様がわざわざ足を運ぶ魅力的な店。その付加価値を、金井氏はどのように見出すのだろう。

「大前提として、『その店が本当にその場所で望まれているのか』という視点は絶対に必要ですね。店を継続させてくれるのは自分の意思ではなく、お客様ですから。そのうえで店の付加価値について考えると、今のお客様はいろんな飲食体験をお持ちなので、ありきたりの店ではなく、お客様の感嘆詞(!)を引き出す必要があります。だからといって、ニッチを狙うだけではダメで、大事なのは継続です。お客様の心理は、必ず『楽しむ』から『慣れる』という経過をたどります。重要なのは、その後『飽きる』ではなく『定着する』こと。たとえば当店なら、12年前は岩中豚のハンバーグは珍しく、お客様は『楽しんで』くださいました。しかしだんだんお客様も『慣れて』きて、客足も落ち着いた。そこで焦ってしまうと『豚じゃなくラム肉にしようか』なんてこともやりたくなるのですが、私たちは岩中豚に絶対の自信を持っていたので、豚一本で勝負しました。料理が国民食になっているハンバーグだったことも、お客様が『定着』してくださった要因だと思います。そんなふうに、一つひとつの答えを、あてずっぽうではなくある程度の確信をもって選べるようになるまで、経験や考えを『答え』として落とし込むことが大切です」

 金井氏に今後の展望を聞くと、意外な答えが返ってきた。

「会社としてはいろいろな展望がありますが、私自身としては、今まさに、一つの課題を解決しようとしているところです。その課題とは、『適正立地』を見極めること。適正立地は経営の7割を占める重要なファクターですが、多くの方が、確かな見通しがなく店を出しているのが現状です。皆、適正立地というと駅前路地裏とか学生街、繁華街だと思っているけど、僕の考えではそうじゃない。でも今はまだ、答えをお伝えできません。僕もこれから自分の仮説を検証していくので……。気になりますか? じゃあ一つ、ヒントを出しますね(笑)。たとえば都内でソフトクリームを売るための適正立地は、どこだと思いますか? なぜ、インターチェンジや牧場だとよく売れるのでしょう。興味のある方は、ぜひ考えてみてくださいね」

370shop.jpgHamburg Will 新宿御苑店(取材店舗)

有限会社 STPDファーストゲート
─ 店舗情報 ─

Hamburg Will 新宿御苑店

住 所:東京都新宿区新宿1-3-8
YKB新宿御苑ビル101

電 話:03-3358-4161

Hamburg Will 錦糸町店

住 所:東京都墨田区太平4-6-17
シェグランほり川101

電 話:03-6658-8996

The garlic dining はじめの一っぽ

住 所:東京都新宿区神楽坂4-5

電 話:03-3260-3500

Garlic restaurant はじめの一っぽ2

住 所:東京都新宿区神楽坂3-6
金井ビルB1F

電 話:03-3260-5747

NAKANO HAJIMENO IPPO

住 所:東京都中野区中野5-32-5
神谷ビル102

電 話:03-5942-6505

Porta Coffee Stand

住 所:東京都杉並区高円寺南3-58-26

電 話:03-6383-2774

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文:瀬尾 ゆかり 写真:小野 順平

2019年07月17日 掲載

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