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株式会社 浜倉的商店製作所

代表取締役 総合プロデューサー 浜倉 好宣

「理解されない」から始まるプロデュース。
全国の生産者と飲食店、エンドユーザーをつなぐ”たまり場”をつくる

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浜倉 好宣 – Yoshinori Hamakura –

1967年横須賀生まれ京都育ち。18才で京都駅内の古びた飲食店のリニューアルを担当。早くもプロデュース能力の片鱗を見せる。90年代、成長期の飲食企業各社の幹部を務め、2008年に独立。株式会社 浜倉的商店製作所を設立。社会的ストーリーとミッションを具現化した数々の独創的なヒット店舗をリリース。その功績が評価され、「外食アワード2009 中間流通・外食支援事業者賞」を受賞。日本居酒屋協会 副会長就任。著書に『僕は人も街も再生する酒場のプロデューサー』がある。

2019年7月掲載

あらゆる”たまり場”を生み出すコミュニティー創造集団

 赤ちょうちんが灯り、古き良き商店が軒を連ねる昭和の横丁、そこに異空間が広がる。ここは何と、現代美術家村上隆氏のオフィス。先立って手がけた中野オフィスに続き、今年5月、元麻布のヘッドオフィスも生まれ変わらせた。

「こんなにキレイなところ、本当に壊してもいいんですか? とうかがうと、一言『お任せします!』と(笑)。前は真っ白のスタイリッシュなオフィスだったんです。当初、村上さんはアーティストとして色や雑音を入れたくないと、白い空間にしたのですが、10年が経ち、もっと親しみある心地よい場所にしたくなったそうです。ミラーボールが回るオフィスなんて働きにくそうに見えますよね(笑)。ところが、スタッフの皆さんの間に活気が生まれ、定着率が格段に上がったそうです」

 一般常識では理解しがたいこの”横丁スタイル”のオフィスは、世界のゲストはもちろん、スタッフ同士にも自然なコミュニケーションが生まれ、交流の中から新たな発想と価値が生まれる理想的な”たまり場”として機能することになった。

 とはいえ、この効果は決して偶然ではない。というのは、これは同社が飲食店を設計する際の基本コンセプトの一つであるから。

「最新の調理機器を取り揃えた広くスマートなキッチンは一見働きやすそうですが、料理人(商売人)として必要な潜在能力は引き出せません。まるで旅客機のコックピットのような狭いキッチンでは、オペレーションの工夫や産直の希少食材を最高の鮮度で仕入れ、売り切る意識が自然と強まり、無駄のない商売感覚が身についていきます。入社したばかりのスタッフからは『こんな狭い所で大丈夫なんですか?』と理解されませんが、実際働いてみると、工夫を凝らしながら無駄を省き、本当に必要な効率や新しいアイデアがどんどん湧いてきます。さらには、スタッフ同士の阿吽の呼吸、その手際を見たお客様との会話も自然に生まれ、結果『できますね! なんか楽しいです!』と感激されます」

 人は同社を「エンターテイメントカンパニー」と位置づけするが、あくまでも「決して奇抜な発想ではなく、そのマーケットになくてはならない、自然と人が集まるコミュニティー、”たまり場”を生み出す集団」だと言い切る。

 ただ、そのマーケットが欲しているものを感じ取る視点と表現力は唯一無二であり、今でも、その”表現のみ”を模倣する飲食店は後を絶たないが、ポイントを外した店はどれも短命だ。

 経営難の鮮魚店や水産仲卸を再生した「浜焼き酒場」、シャッター街をコミュニティーが拡がる酒場に生まれ変わらせた「横丁プロジェクト」、さらには東京湾観光船まで、そのフィールドは飲食業の枠を超え、ますます広がりを見せている。

「今も、複数のプロジェクトが動いています。立地などの条件によって表現が制限されてくるので、それぞれスタイルは異なりますが、根底にあるものは全て同じです。ただ、我々の発想はアイデアの段階では全く理解されないことが多く、新しいプロデュースのほとんどが関係者の『それは無理でしょう』から始まります(笑)。でも、簡単に理解されないことにこそ真意があり、文化になりうると信じています」

 はたして、浜倉的商店製作所が追求し続けるものとは──。まずは、次の一手。現在、進行中の新規プロジェクトの中身をチェックしておきたい。

来たる2020年に向けて大規模プロジェクトが続々進行中

ジャパンキッチン
▲10月秋葉原駅直結の新生メッツホテルに誕生!「ジャパンキッチン」

 2019年10月、秋葉原駅直結の新生メッツホテルに産直フードホール「ジャパンキッチン」がオープンする。サブカルチャーの発信地、アイドルの聖地など、多彩な顔を持つ街のニーズに、どのように応えていくのか。

「インバウンド向けにメッツホテルがオープンするのを機に、フロント階にフードホールを設けることになりました。秋葉原は訪日外国人はもちろん、いろんな人が集まる街なのに、世代を超えて集まり、食事を楽しめるところが少ない。そこで、ターゲットを絞らない店づくりをしている私たちに声がかかりました。老若男女が気軽に集い、楽しめるコミュニティーレストランです。ファミレスじゃなく”コミュレス”。寿司、焼鳥、蕎麦などの日本食から、パスタ、ステーキなどの洋食、さらには中華まで。全国の生産者直結の産直食材を4つのキッチンに立った各専門職人が手仕事で料理する、日本の王道グルメが集約した新しい”食の殿堂”をつくります。駅直結ホテルなので、秋葉原にやってきた人たちをここまで誘導したい。街のコミュニティーの核となる空間にしていきたいと考えています」

有楽町産直横丁
▲12月有楽町産直飲食街がバージョンアップして再登場!「有楽町産直横丁」

 また12月には、「有楽町産直飲食街」の跡地に「有楽町産直横丁」がバージョンアップして再登場する。JR高架下耐震補強工事のために閉店して以来、長らく復活が待たれていた。

「もともと都道府県のアンテナショップが多い町、有楽町。JR高架下に作った全国各地の産直食材を打ち出した飲食街でした。24時間営業であらゆるシーンのお客様にご利用いただいていたので、たくさんの方々から惜しまれました。復活後は通りの片側を魚、牛、豚などの食材ごとにゾーニングし、市場の雰囲気に。もう一方は地域別に分け、銭湯や酒屋、薬局など懐かしい商店街にそれぞれの飲食店を開いたようなイメージです。…ね、聞くだけでは理解できないでしょ(笑)。最近はどこの高架下もキレイになってきているので、高架下ならではのベタコテ感を大切にしていきます」

OCEAN HOUSE LIB HOUSE
▲12月銀座コリドー街に移転OPEN!「OCEAN HOUSE」「RIB HOUSE

 さらには12月、銀座コリドー街の新築ビルにビストロをオープン。こちらは打って変わって、活気あふれる雰囲気はそのままに非日常のスタイリッシュな空間が生まれるという。

 そして、来たる2020年には、横丁プロデュースの集大成ともいえる大規模なプロジェクトが待ち構えている。全20区画、全長120メートルの巨大横丁が誕生する。

「プレスリリース前なので全貌は言えないのですが、都内一等地の商業施設1階に有楽町のプロジェクトを拡大した、北海道から沖縄まで網羅した各地の産直食材やB級グルメを提供する横丁を展開します。ビルが立ち並ぶ街に、昔ながらの商店街を再現したいと考えています。日本全国の食材フェアなども行う、毎日が食フェス&お祭りという状態を創り出したいですね。読者の皆さんの中で『なんか面白そう』と思う方がいれば、是非手を挙げてもらいたい。興味から全てが始まります。毎日が生きがいになる舞台を必ず作りますから!」

浜倉 好宣さん

産直食材のストーリーを伝えて

地方の生産者をスターにしたい

 現在、公表できるプロジェクトだけでもこれほどのスケール感がある。ただ飲食店を立ち上げるのではない。取り巻く環境からデザインし、細部まで創り込んでいくのが浜倉的商店製作所の流儀だ。

 そして、すべてのプロジェクトに共通するのが”産直”のキーワード。そこに込められた想いを、浜倉氏は語る。

生産者

「地方の生産者は消費者とのつながりをなかなか持てません。お客様の声を聞いたり、PRする場がないのです。一方で、飲食店の経営者は良い食材を探している。今は直売の時代なので、間に業者を介さず直接取引したいと考えているのに、もったいない話ですよね。生産者の皆さんは自分の思いを込めて作ったものがお客様の口に入る瞬間を見られるのは飲食店だけです。こういう場があれば、いろいろな食材が集まり、それを求める人も集まってくる。全国の生産者とそんな方々の架け橋となり、気軽に本物を食せる”たまり場”を目指します」

 日本各地の特産食材とそのつくり手を特集した記事がセットで届く情報誌『食べる通信』・『ポケットマルシェ』とコラボ。生産者と消費者をつなぐ新たなプロジェクトも始動している。

「”産直”と謳って、メニューに載せるだけでは関心を持ってもらえません。食材の裏にある苦労話や生産者の人柄など、ストーリーを伝えることが大切です。たとえば、同じ枝豆を食べるのでも『中島さんが霜の降りる早朝に採った枝豆』と知れば、ありがたいなと一層美味しく感じられますよね。地方の優れた食材は今、後継者不足で絶滅の危機に瀕しているという現状もあります。店内のモニターを活用して、生産者にフォーカスしたストーリーをもっと広めていきたい。イベントにも積極的に参加していただき、地方の生産者さんを東京の飲食店から全国的なスターにしたいと考えています。彼らを知り、お客様の中から生産者になりたい! という方が出てきたら、なおさら嬉しいですね」

産直イメージ

和も洋もサービスもピカイチの人材が必要。目指すは”飲食人アベンジャーズ”

 もう1つ、重要なコンセプトを掲げている。読者のみなさんにぜひともチェックしてもらいたい。それは他でもない、「飲食人をヒーローに!」。浜倉氏は熱をこめて、語りかける。

飲食人アベンジャーズ

「これほど意義のあることに取り組んでいるのですから、本物の飲食人が必要です。和も洋も、寿司もピザも、利き酒師も、ソムリエもピカイチの人材を求めています。1人ひとりにファンがつくような、いわば”飲食人アベンジャーズ”ですね。店舗ごとに”ファンクラブ”も開設しようと思います」

 一般的な居酒屋とはレベルが違う、生産者の想いのこもった産直一級食材。それを熟知した職人が仕込みから丹念に料理する。そしてサービスは、その思いのままをテーブルで待つお客様へ伝承する。この構図が完成してこそ、これらのプロジェクトは成立する。

「チェーン店が増え続ける今、料理人が本物の食材を扱える機会が少なくなっています。世界から和食が注目されているのに、技術の伝承もなかなかできない。料理人が技術を磨けるところが減っているだけに、プロジェクトに参加して、全国の生産者から直接送られる素晴らしい食材を活かし、手づくりの料理で表現し、技術も磨いてもらいたい。そしてサービスの方々には、その素晴らしさの伝承人になってほしい。『いよいよ俺の出番だ』と、腕に覚えのある人たちに是非集まってもらいたいと思っています。一緒に飲食店ならではの意味ある文化を作り上げましょう!」

 事実、日本を代表する料亭で腕を磨き上げた総料理長を筆頭に、浜倉的商店製作所が手がける”たまり場”では、経験豊富な料理人が腕をふるう。互いに刺激し合い、切磋琢磨できる環境がある。

「料理人は、どちらかといえばコミュニティーをつくるのが苦手な人が多い。集合体というステージがあれば、自然に仲良くなったり、競い合うこともできます。お互いのプライドを捨てて教え合い、学び合いながら、それぞれの技術を次世代に伝えていけるでしょう」


 さらには、その先のステップも見通せる。自分の将来設計に合わせて、さまざまなスタイルの働き方を選択できる。

浜倉さん

「将来、独立を目指している方も多いと思いますが、集合体の1店舗の営業権を引き継いで、独立という形をとることもできます。年令を重ね、横丁での接客が体力的にきつくなれば、社内転職も可能です。たとえば、ホテルでの朝食を担当するのもいいでしょう。個人のスタイルに合わせ、いろいろな働き方を選んでいただきます」

 一見、理解されない事が多い同社の取り組みの先には、取り巻く人々本来の笑顔が見える。まずは一歩踏み出せば、世の中をあっ! と驚かせるプロジェクトの一員として心躍るステージが待ち受けている。多くの人々に感動を与え、憧れの的となるような新時代にあるべき”飲食のヒーロー”への道が見えてくるだろう。

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株式会社 浜倉的商店製作所 
─ 店舗情報 ─

■ 秋葉原

「ジャパンキッチン」

(キッチン日ノ本・チャコール炎上

ビストロジパング・BAR花魁)

※10月OPEN

■ 有楽町

「有楽町産直横丁」

全国漁場直送!魚河岸 魚の浜恵

全国漁場直送!魚河岸 貝の真寿

牧場直送!牛の最上精肉所

畜産農家直送!豚の中西直売所

養鶏農家直送!鶏の三芳ファーム

北海道食市・東北食市・関東食市

近畿東海食市・四国中国食市・九州沖縄食市

※12月OPEN

■ 銀座

銀座コリドー街

「OCEAN HOUSE」(魚貝バル)

「RIB HOUSE」(肉バル)

※12月移転リニューアルOPEN

■ 新橋

「新橋ガード下横丁」(鮨〇・牛〇・おばんざい屋・

九州「都久志屋」・鉄板焼「テッちゃん」

餃子酒場「ちょい呑み餃子」・串カツ「勝(マサル)」

ジンギスカン「ラムバカ!」・貝〇・

スナック「山あり唄あり」)

「新橋産直飲食街」(魚○本店・牛○・鳥○)

■ 日比谷

「一軒丸ごと日比谷産直飲食街」

(魚〇本店・炉端貝〇・牛〇・九州「都久志屋」)

生ホルモン串とベコ酒場「オクヨシ精肉所」

■ 神楽坂

生ワインと魚貝フライパン料理の店

「CHICHUKAI UOMARU

産地直送 呑み喰い処「食道楽」

■ 新宿

「産直酒場 下克上」

「日本鮮魚甲殻類同好会」

■ 六本木

「鮮魚酒場 魚浜」

■ 上野

「アメ横ガード下飲食街」

(壺焼き屋・オクヨシ精肉所・串カツ勝・都久志屋)

産地直送 呑み喰い処「食道楽」

「鮮魚酒場 魚浜」

「上野産直飲食街」

(魚○本店・牛○・東北「むつ味」・バル「貝〇」)

■ 恵比寿

「恵比寿横丁」

(魚〇 ・ホイル焼き酒場「銀〇」・牛〇)

■ 日本橋

「産直酒場 下克上」

■ 人形町

「おばんざい家 人形町」

■ 品川

「品川魚貝センター」

(生ワインと魚貝フライパン料理の店

「CHICHUKAI UOMARU」)

■ 中野

「中野ウロコ本店」

■ 田端

「縄のれん 飯と酒屋」

■ 日の出桟橋

「御座船 安宅丸」

■ グアム

「NIHON SHOKUDO 魚◯本店」

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文:西田 知子 写真:ボクダ茂

2019年07月04日 掲載

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