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株式会社 ジェイプロジェクト
代表取締役 林 裕二
何もしない勇気よりも、挑戦する勇気 そしてワールドワイドな会社を目指す
林 裕二 – Yuji Hayashi –
1972年、名古屋市生まれ。高校卒業後「有限会社ジェイプロジェクト」に創業メンバーとして入社。その後、名古屋本部の営業部長、社長室長を歴任して30才で東京に進出。2012年「株式会社 ジェイプロジェクト」の2代目社長に就任。昨年8月にはBBQのケータリング業務を主軸とした新会社「株式会社 Second ENGINE」を設立。
社長になって6年目を迎えた今、継承すべきことと変化すべきこと
「話はじめると、どんどん盛り上がって、主旨からズレることが多々あるので、その場合はうまく軌道修正してくださいね(笑)」
これは、インタビューがはじまるやいなや、開口一番、林氏の口からでた言葉である。そこから彼の明るくて、元気で、誠実、そして人が好き……そんな人柄がすぐに伝わる。株式会社 ジェイプロジェクトの二代目社長に就任して、今年で6年目を迎える林氏は、実家が自営業だったことから、小さいときから商売に対する興味が人一倍大きかったという。
「物心ついたときから、自分もお店にでて、接客の手伝いをしていたので、接客力が体に沁みついているというか……。あまり大きな声では言えませんが、正直、今でも、お客様を喜ばせるための気づかいは誰にも負けない自信があります(笑)」
接客が好き……そこが、現・株式会社 ジェイグループホールディングス代表取締役の新田治郎氏と自分との大きな違いだと、林氏は話を続ける。
「初代社長の新田は、ザ・経営者というスゴ腕の持ち主で、なんでもできるスーパースターそのもの。ピラミッドのトップにいて、みんなを引っ張っていけるタイプなんです。ただ、接客は苦手(笑)。でも僕の場合、得意な分野もあれば、苦手な分野もある。だから、みんなで一緒に進んでいきたいタイプ。人の上に立つボスが新田で、人の前を走るリーダーが僕……といった感じですね。とにかく、根が現場向きで、経営者というよりは本来、店長向きなんです。だからこそ、経営者になってからの3年間ぐらいは、とにかく新田がつくってきたもの、やってきたことを継承して守ることだけにしか集中できませんでしたし、経営業に慣れるまでに時間がかかりました」
今、林氏が新田氏から継承し、大切にしているもの、そして、変化させようとしていることとは……。
「継承しているのは、完全に精神論です。スタッフとの気持ちのつながりや、モチベーションをあげることは大切にし続けるべきことで、変えてはいけないものです。ただ、経営の戦法は時代に合わせて変えていくべきだと僕は思います。お客様の求めるものが、変わっていくのならば、会社もそれに合わせて変化すべきなんです。同様に、社員の育て方も、変化していってもいいものだと考えています」
そして、昨年、林氏は会社に大きな変化をつける。それが、名古屋の分社制というスタイルである。
自身が大きな壁にぶつかった経験が新しい取り組みのきっかけに…
自らを、現場で働く店長向きだと冷静に分析する林氏は、アルバイトからはじまり、20代は接客業に情熱を注いできた。そして30才で上京し、30代は新田氏のひいた線路に対して、がむしゃらに列車を走らせていたという。ただ、言われたことを必死に完璧にこなす、それが全てだったからこそ、社長という立場になったとき、彼は大きな壁にぶつかることになる。
「店長のときはお客様の満足度や、スタッフとのコミュニケーション、そして店舗の売り上げなど、目の前にあるものを徹底的に見ることが仕事でしたが、社長となると全体的な数字や社外にも目を配る、つまりは会社の経営ですよね。とにかく店長と社長の仕事内容が全く違うことに自分が苦しんだからこそ、同じ思いを繰り返して欲しくないから、名古屋は分社制……というか、社内カンパニーというスタイルをとることにしたんです」
それまでの名古屋の体制は、林氏の下に本部長がいて、その下にある約60店舗のお店を統括していた。しかし、現在は、本部長の下にさらに5人の支社長をおき、それぞれに会社名までつけている。
「世にでている公式の会社名は、ジェイプロジェクトなんですが、その中にジェイプライドなど、5つの会社名をつけています。そして、ある程度の権限や決済のやり方を渡すことで、自分たちで考える力を身につけさせているんです。これは僕の経験から、早いうちから数字と向き合うことや経営のやり方を覚えたほうがいずれ役立つという思い。彼ら5人は三代目社長になりうる人間なので、準備は早い方がいい。社長になってから準備するのでは、遅いんです。いまのうちから疑似体験させることが僕の狙いです。もちろん、分からないことがあれば、いつでもサポートする……そんなスタイルをとっています」
新田氏から受け継いだ、社員への直筆誕生日カードも名古屋においては、この5人の支社長が行なっている。
「まかせられることは、すべてまかす。そして、そういう人間が増えたからこそ、僕も新しいことにチャレンジできる余裕がでてきたんだと思います」
林氏が新しくチャレンジしたこと、それは、まさに今の時代のニーズに合わせた会社の設立だった。
新会社の設立、そして今後の展開
夢と挑戦はまだまだ続いていく…
昨年の8月、林氏は、BBQのケータリング事業を行う新会社を立ち上げた。
「やっと3月にHPができたばかりなんですが、会社名は株式会社 Second ENGINEといって、次なるエンジンという意味を込めました。これは100%、僕の権限のもとにやらせてもらっている会社で、お客様が公園や私有地でバーベキューをやるときに機材や食材を運び、撤収まで行うサービスが主軸です。機材は、アウトドアで有名なコールマンブランドで揃えているのが自慢で、食材にも自信があります。なにせ本業は飲食ですから」
そしてさらに、林氏が狙う今後の展開はというと……。
「いずれは、BBQ場なども経営できたらいいなと考えています。また、食材の仕入れ値が他社とはまったく違うので、ほかの企業も巻き込んで、いい食材をお値打ちに卸そうかと……。時間をかけて少しずつでも実現していければいいと思っています。自分で会社をゼロから立ち上げるのは初めての経験なので、ワクワクすると同時に不安もありますが、この挑戦ができたのは、我が社の土台がしっかりしてきたことの証明であり、成長の証なんです」
二代目社長として6年目だが、新しい会社の社長としてはまだはじまったばかりの林氏の夢とは一体なんなのか。それを聞いてみると、意外な答えが返ってきた。
「個人的な夢は封印しちゃいました(笑)。経営者は、社員全員の人生を預かっている身なので、自分の夢を語ってはいけないと思うんです。ただ、会社としての夢はあります。それはグローバル化すること。今は、スペインに注目していて、ワーキングホリデーも取り入れているほど。いつかスペインと日本の架け橋になりたいですね」
【取材店舗】芋蔵 蒲田西口店
株式会社 ジェイプロジェクト
─ 店舗情報 ─
芋蔵 蒲田西口店
東京都大田区西蒲田7-66-10 ランズビル8F
電話:03-3737-8700
博多かわ屋 池袋東口店
東京都豊島区南池袋1-23-1 富士ビル1・2F
電話:03-3590-1200
えどわん
東京都中央区銀座5-1-7
電話:03-3289-0026
日本橋室町 豊年萬福
東京都中央区日本橋室町1-8-6
電話:03-3277-3330
猿Cafe 町田マルイ店
東京都町田市原町田6-1-6 町田マルイ 5F
電話:042-720-5536
58
東京都渋谷区道玄坂2-25-6-15 ホリウチビルB1F
電話:03-5456-9858
てしごと家 銀座店
東京都港区新橋1-7-11 橋善ビル2F
電話:03-5537-2555
現在149店舗展開中
文:安藤 陽子 写真:yama
2018年06月07日 掲載
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