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俺の 株式会社

代表取締役社長 坂本 孝

日本人の感性というフィルターを通すと世界品質になる。

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坂本 孝 – Takashi Sakamoto –

1940年、山梨県生まれ。カーウォッシャー、オーディオや中古ピアノ、化粧品の販売などいくつかの自営業を経て、1990年に「ブックオフ」を創業。2011年9月、東京・新橋に「俺のイタリアン」をオープン。受賞歴:2004年「稲盛経営者賞 非製造業部門第一グループ第一位」、「外食アワード2012」など多数。

料理人にスポットを当てるためのオープンキッチン。

 インタビューの中で何度も「日本が世界に誇る飲食業」という言葉を使う。日本人の繊細なおもてなしの精神。ひと皿の料理に込める想いや情熱。世界のあらゆる業態を吸収してしまう柔軟性。そうした日本ならではの食文化の素晴らしさを、お客側の目線で見つめてきた。

「私は包丁をもったこともありません。料理のこともあまり詳しいわけでもないんですよ。でも、だからこそ料理人をリスペクトできるのだと思います。料理人が知識と技術とセンスを駆使してつくったひと皿の美食を前に、私は何度も感動してきました」

 ブックオフの創業者として16年間で1000店舗の中古本販売店を拡大させてきた実績をもつ。その間も、美食家として食べ歩きをつづけていた。

 飲食業に進出しようと思ったきっかけは、ある調査結果だった。

「調理の専門学校を卒業した人たちが10年後も飲食の世界に携わっている確率が1割にも満たないということを知って驚いたんです。厨房の世界に魅力がないの? 日本が世界に誇る飲食業にはそんな現実があるの? 私の中にある種の危機感みたいな感情が生まれてきたんです」

 料理人たちが立つ厨房についても、大きな疑問を感じた。

「ホールでは、シャンデリアの灯りに照らされてサービスマンやソムリエが輝かしい表情でお客さまに接しているというのに、あの奥厨房という環境は窮屈だろうなと思っていました。最高のスーパースターであるはずのシェフたちが、どうしてあんな奥厨房にとじこもって仕事をしなければいけないのか。私には理解できなかった」

 そうした考え方から誕生したのが「俺のイタリアン」だ。

 オープンキッチンをメインにした空間は、料理人のためのもの。シェフたちにスポットライトを当てていきたい、ステージを提供していきたいとの想いを表現した。

 そして星付きレストランで活躍してきたシェフたちに語りかけた。日本の飲食業を驚かせる業態をつくっていこう。そして世界へ出て行かないかと──。

「はじめは飲食業で何の実績もない私の言うことなんか聞いてくれないと思っていました。夢を共有するなんていうと格好良すぎ、信じられないだろうなと思っていました(笑)。でも、少しずつ店舗も増えてきて、シェフたちとの間に信頼関係が芽生えるようになったんです」

既存業態にはないすき間を探し、そこを攻める。

 坂本氏は、自分たちが優位に闘える土俵を創ることに集中した。

 30%程度に抑えることが常識になっているフード原価率を60%以上も使い、しかも高級レストランの3分の1の価格で提供するスタイルを考案。しかし利益を出すために、テーブル数を多くし、できれば回転数を上げることも必要だった。

 それを解決したのがフレンチでもイタリアンでも、立ち席を導入したことだった。

「立ち席で食事をしていただくことは大変申し訳ないと思っています。ただ、原料費をジャブジャブと使い、高級食材で仕上げたひと皿を破格の価格で提供することはお客さまからよろこばれています。人がやっていないこと、ユニークなこと、お客さまのためになること。それをやれば、受け入れられるんですね」

 高級食材を扱えることは、料理人にとってモチベーションアップにつながる。さらに、クリエイターとしての創造力もかき立てられ、よりクリエイティブな料理が発想される。

「コスト削減ばかりを強いるレストランは、現場に活気がなくなります。伸び伸びと料理に取り組んでほしいんですね。価格競争は、誰もが幸せにならないものなんです」

 出店にも戦略が隠されている。第1号店以降、出店の中心は銀座である。日本が世界に誇る飲食業のメッカであり、勝ち負けがハッキリするレッドオーシャンの街だ。

「銀座に店を出すことにステータスを見出しているのではありません。銀座で認められるレストランになること。そして銀座に必要とされる存在になることを目指しています。銀座で成功することは、世界へ出て行く準決勝で闘っているようなものだとイメージしているんです」

坂本 孝さん

マンツーマンで人を育て、2年でセコンドへ。

 坂本氏がもっとも力を入れていることが社内で人を育てることだ。イタリアン、フレンチ、スペインをはじめ、さまざまな「俺の」シリーズを展開。現在32店舗を展開している中、各現場で人を育てることを大きなテーマに据えている。

 セコンドになるまで10年かかるとされてきた育成期間をわずか2年で達成する育成プログラムが進行中だ。

「2年でセコンドレベルにする会社にすると言ったら、当時はみんなから笑われましたからね(笑)。私たちのやり方はマンツーマンで教えるというのが特長です。各現場に育成担当者がいて、新入社員を2年で育て上げるようになっています。ほら、あの彼はこないだ入社してきたんですが、もうステーキ肉のカットを担当しています。成長のスピードは大切です。洗い場を何ヶ月も経験させてたら時代に取り残されてしまいますよ。食洗機と競争しても意味ないでしょう?(笑)」

 マンツーマンで仕事を教わると、昨日と今日、教わる人の違いによって、指導内容に食い違いがないため、迷うことなく成長を加速できる。

「これからも、人を指導し、人を成長させられる人が評価される組織であり続けます。外部から先生を招いてというやり方ではなく、社内で育成を進めていきます。教わる側も、いっしょに現場に立つ人から教わった方が納得がいくんですね」

 飲食業に参入する以前から、筋金入りの経営者としてさまざまな事業を立ち上げてきた坂本氏。自らの実績を勝ち負けで計ると、負けの方が多いと振り返るほど、失敗も経験してきた。だからこそ、社員たちには失敗を恐れるなと伝えている。

「立ち止まって考える人は世の中にいっぱいいます。でも、私たちは考えることより、それを実際に『やる』ことを重要視しています。失敗しても、それは会社の財産になりますから」

 学生時代、落語研究会に在籍していたこともあって、坂本氏の周囲には笑顔が絶えない。ちょっとした打ち合わせでもいきなり本題に入らず、本題と関連する楽しい話を披露し、人をリラックスさせる。

 坂本氏の人柄と斬新な戦略に惹かれて星付きレストラン経験者が集まり、新人はスピーディに成長していく。

shop.jpg【取材店舗】俺のイタリアン JAZZ

俺の 株式会社
─ 店舗情報 ─

俺のイタリアン JAZZ

東京都中央区銀座8-3-11 和恒ビル1F

電話:03-6280-6266

俺のフレンチ YOKOHAMA

神奈川県横浜市西区南幸2-17-1 相鉄南幸第7ビル1F

電話:045-620-8702

俺のイタリアン 新橋本店

東京都港区新橋3-8-5 ル・グラシエルBLDG.13 1F

電話:03-6435-6213

俺のスパニッシュ

東京都中央区銀座8-3-12 第2銀座コラムビル1F

電話:03-6274-6637

俺のフレンチ 銀座本店

東京都中央区銀座8-7-9 1F・2F

電話:03-6280-6435

現在、直営店32店舗展開中

HP:http://www.oreno.co.jp/

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文:高木正人 写真:ボクダ 茂

2015年12月03日 掲載

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