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チェーン店による食べロク訴訟はどうなった?求人・チェーン店による食べロク訴訟はどうなった?転職情報 グルメキャリー

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今回のご相談内容

チェーン店による食べロク訴訟はどうなった?

裁判所は損害賠償請求を認めましたが、決着はこれからです。

今回は、「食べログのアルゴリズム変更に伴う損害賠償請求」の判決についてです。

焼肉・韓国料理チェーン店が食べログを訴えた裁判(参照:「食べログ」の評点方法の変更のせいで売り上げが落ちた!?)の判決が出ました。

原告側の主張をほぼ認め、請求の一部である3840万円の支払いを命じたのは、かなりの驚きです。

原告側の主張は、食べログがチェーン店に不利になるようにアルゴリズム(評価点の算出方法)を変更したことにより、21店舗中19店舗で評価点が下がり、最大で0.45点、平均で0.17点下落したというもので、これが独占禁止法で禁止されている優越的地位の濫用に当たるというものでした。原告の請求額は、約6億4000万円で、アルゴリズムの使用停止(差止め)も求めていました。

判決文が公開されていませんので、報道ベースでの解説になりますが、ザックリ言うと裁判所は以下のような理由で、請求を認めたようです。

①裁判所は、そもそも「食べログが優越的地位なのか」という点について、『食べログの有料会員登録をする飲食店の地位継続が困難になれば、経営上大きな支障を来す』として、これを認めました。食べログは飲食業界の集客ツールとして「インフラ」になっていますから、食べログが優越的地位にあるというのは納得できます。

②次に、「アルゴリズムの変更とそれによる点数の下落が、「不利益となる取引の実施」といえるか」という点についてもこれを認めました。難しいのは、食べログと飲食店との有料契約は、掲載順位や頻度、掲載情報の充実などであって、点数自体はレビュワーが勝手につけるもので、売り買いしたりできないわけです。この点については、裁判所から依頼された公正取引委員会が意見書を出しており、「点数が契約になっていないとしても、飲食店は会員になって店舗情報をアップデートし、消費者の露出を高めて集客を図り、さらに、評価や口コミ投稿が増えて店舗の点数を上げて、さらなる集客を図る」という一連の流れから、点数の表示についても、取引の実施にあたるという意見を述べました。裁判所もこれに同意したものと思われます。

③最後に、「公正な競争を阻害しているか(正常な商慣習に照らして不当か)」という点について、公正取引委員会の意見書では、アルゴリズムがいついかなる範囲の飲食店を対象に、どのような方法により設定され、運用されているか(飲食店との事前の協議の有無を含む。)、また飲食店に対しその自主性を抑圧する性格を有するものであるか、どの程度の不利益を与えるものであるかを考慮して判断すべきとしました。もちろん、アルゴリズムの変更は食べログだけが行えるものです。食べログが「ある時はこういう業態を優先する」とか、「こういう立地を優先する」とか、自社の利益のため好き放題やってしまうと、周りの飲食店はそれに振り回されて、食べログの言いなりになってしまう可能性があるということです。細かい理由付けは不明ですが、この枠組みに基づいて、裁判所は公正な競争を阻害していると判断したようです。裁判の中でアルゴリズムが開示されましたが、それが明らかにチェーン店を狙い撃ちするものであったのかもしれません。不利益の程度が大きいというのも理由の一つでしょう。

以上のような理由で裁判所は損害賠償請求を認めました。3840万円というのは、営業損失を月160万円と認定して、その2年分という事です。なお、アルゴリズムの差し止めは、金銭賠償で十分損失を補えるということで認めませんでした。

正直、まさかの判決で驚いていますが、お互いに控訴していますのでどうなるか分かりません。個人的には、この判断を認めてしまうと、①アルゴリズムを変更すれば、誰かの評価は上がり、誰かの評価が下がるから、アルゴリズムの変更が全くできなくなるのではないか。②食べログという民間サイトとしては、チェーンよりも個人店を評価するということ自体に問題はあるのかといった疑問があり、高裁でひっくり返る可能性は十分あると思っています。ただ、全てのチェーン店でも同じ理屈が通用しますから、同じように訴訟提起すれば同じような請求が通ることになります。集団訴訟化すれば食べログ側にかなりのプレッシャーになります。いずれにせよ、今後の進展が気になります。

2022年07月22日 掲載

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石﨑先生

飲食店専門弁護士 石﨑 冬貴(Ishizaki Fuyuki)

1984年生まれ。東京都出身。東京弁護士会所属。

一般社団法人フードビジネスロイヤーズ協会代表理事。日本料飲外国人雇用協会理事。
賃貸借契約から、労務問題、風評被害、漏水まで、飲食店の法務を専門的に取り扱う弁護士の第一人者。

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