予約の無断キャンセル、理不尽なクレーム、器物破損等々…
お客との様々なトラブルに対し 「泣き寝入りする必要はない」、
「お客と店は平等」を掲げ、様々な依頼に取り組み続ける
飲食店専門弁護士の第一人者、石﨑冬貴の実録連載!
時短営業中に閉店時間を過ぎても居座るお客がいる。
黙認していたら、時短要請不対応店として「協力金」が受け取れません。
今回は、「時短営業中に居座る客への対応」についてです。
ようやく、全国的に「まん防」が解除されることになりました。ただ、2年も続いているこのコロナ禍ですから、まだまだ予断は許さず、また時短要請や、自発的な時短営業も考えられるでしょう。お客様も長引くコロナ禍でストレスが溜まっていますから、営業時間を巡ってトラブルになることもあります。最近では時短営業の閉店時間を過ぎても、お客が居座ってトラブルになるケースが増えており、札幌では傷害事件に発展したケースもありました。法律上では、店が決めた営業時間は絶対です。もちろん、このケースのように暴力行為に及ぶのは論外ですが、店が「午後9時閉店」と言っているのにも関わらず、時間を過ぎて居座るだけでも「業務妨害罪」や「不退去罪」などに該当しかねません。(悪質な場合)
お店側も「なんとなく言いづらかった」という理由で退店を求めなければ、黙認し営業を続けたとして、結果、時短要請に応じていないことになり、「協力金」を受けることができません。
もちろん、時短営業中でも来店していただけるお客さんには、本当に感謝しなければいけませんが、それとこれとは別です。お酒が入るとルーズになったり、気が大きくなることが多いですから、トラブル予防のためにも、ラストオーダー時にしっかりと閉店時間を伝えたり、閉店の少し前から閉店準備などをして促す事も必要かもしれません。どうしても退店しない場合や、悪質な場合には、お店としてしっかりと退店を求めていたことを示すためにも、警察に通報することも躊躇わない方がよいと思います。
私のお店でも、お客様が「ようやく盛り上がってきて、さあここから!」というところで、閉店時間になることがありますが、泣く泣く閉店しています。もう少しの辛抱ですから、ルールを守って感染予防と飲食店の復活の両立を目指しましょう。
2022年03月24日 掲載
関連記事
飲食店の転職求人情報を探す

飲食店の日々のトラブルを弁護士が解決!

飲食店専門弁護士 石﨑 冬貴(Ishizaki Fuyuki)
1984年生まれ。東京都出身。東京弁護士会所属。
一般社団法人フードビジネスロイヤーズ協会代表理事。日本料飲外国人雇用協会理事。
賃貸借契約から、労務問題、風評被害、漏水まで、飲食店の法務を専門的に取り扱う弁護士の第一人者。
法律事務所フードロイヤーズ〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-2-2東宝日比谷ビル9階
E-mail:ishizaki@foodlaw.jp URL:http://food-lawyer.net TEL:03-4540-6513 FAX:03-6850-8643