予約の無断キャンセル、理不尽なクレーム、器物破損等々…
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飲食店専門弁護士の第一人者、石﨑冬貴の実録連載!
お店でクラスターが発生した場合、「店名公表」されるの?
とにもかくにも「感染予防対策」は必至です。
今回のテーマは、「クラスター(感染集団)が発生した飲食店の公表」についてです。
以前、「お店でコロナ感染者が出た場合の対応」については解説しました(「お客様にコロナ感染者が出た場合の対応」参照)。
2020年の段階では、保健所への通報⇒濃厚接触者の特定⇒濃厚接触者の自宅待機及びPCR検査。という流れでしたが、すでに医療がひっ迫している2021年8月現在、発熱等の症状がなければ、PCR検査すら受けさせてもらえません(もちろん、個人での検査は自由です)。
しかし、クラスターが起きると、保健所は敏感になります。クラスターが発生した場合、保健所は発生原因の調査と濃厚接触者の特定を行います。もちろん、その店に誰がいたかがすぐにわかる訳がありませんから、必要性により、自治体はクラスター発生場所の公表を行い、住民に呼びかけます。例えば、2021年7月27日付の静岡県の広報では、下田市の接待を伴うBARと飲食店を以下のように公表しました。
◆下田市のBAR
27日までに従業員や客、計6人の陽性が判明し、県内159例目のクラスターに認定
店名/COCOだっけ(ココダッケ)
所在地/下田市東本郷1-1-9 パールビル2 201
利用日/2021年7月19日(月)~22日(木)
◆下田市の接待を伴う飲食店◆
27日までに従業員や客、計6人の陽性が判明し、県内160例目のクラスターに認定
店名/「ナイトパブ・ONE・TWO・THREE」
所在地/下田市東本郷1-1-9
利用日/2021年7月20日(火)~24日(土)
静岡県によると、上記2店舗では、いずれも従業員はマスクを着用せず、店内にアクリル板の設置もなかったということです。県は、この2店舗のいずれかを利用した人のうち、症状がある人は早めに医療機関へ受診するようよびかけています。また、症状のない人も、7月29日・30日に下田市民文化会館で行われる拡大検査を受けるよう勧めています。
このように、店名が公表されれば、やはり「あの店は危険だ」という印象を強く与えることになり、その後の営業に大きな支障がありますので、普段からパーティションの設置などガイドラインに沿った営業をし、感染予防に努める必要があります。店名公表基準は自治体により定められており、公表されるかどうか、またどのような情報が公表されるかは状況によって異なりますので、各店舗の自治体の情報を調べましょう。
2021年08月19日 掲載
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飲食店専門弁護士 石﨑 冬貴(Ishizaki Fuyuki)
1984年生まれ。東京都出身。東京弁護士会所属。
一般社団法人フードビジネスロイヤーズ協会代表理事。日本料飲外国人雇用協会理事。
賃貸借契約から、労務問題、風評被害、漏水まで、飲食店の法務を専門的に取り扱う弁護士の第一人者。
法律事務所フードロイヤーズ〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-2-2東宝日比谷ビル9階
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