毎日の食卓を、感動の1シーンに。
週に3回しか焼かれない食パンがある。仕込みから焼き上げるまで全行程に12時間をかけるため、店頭に並ぶのはどうしても週に3回となってしまう。
オープン時から風間氏のスペシャリテとしてファンを魅了してきたのが食パン「パン・ド・プルミエ」だ。
24時間以上培養させ、さらにねる作業を数回繰り返して、約1週間かけてつくられた天然酵母に強力粉、牛乳、水、塩、バター少量を加えてこね、じっくりと発酵させたものを焼き上げる。
焼き上がったばかりの「パン・ド・プルミエ」に耳を澄ますと、パチパチと香ばしい音がする。外側はサクッとした食感。中はモチモチっとしたやわらかさ。この対比が感動的である。爽やかな酸味のある香りが楽しめるのも「パン・ド・プルミエ」ならでは。翌朝、トーストにしてもおいしい。
菓子パン、サンドイッチ、創作パンなど、さまざまなパンがある中、食パンをスペシャリテとして提供しているのは「パンの王道」だから。流行には乗らず、ベーシックなパンで人を感動させたいと願っている。
77才にして「パンづくりに最終形はない」と断言する風間氏。
人を感動させたいから──。50年以上も第一線で活躍できるパワーの源はシンプルな職人魂だった。

←半世紀以上もパンづくりに関わってきた風間氏。指先の感触と五感を集中させて今日もパン生地を練っていく。その原動力となっているのは「人を感動させたい」と願う飽くなき職人魂だ。
シェ カザマ
住 所:東京都千代田区一番町10 一番町ウエストビル1F
電 話:03-3263-2426
時 間:8:30~20:30
定休日:日曜日
交 通:地下鉄半蔵門線「半蔵門駅」より徒歩3分
文:高木 正人 写真:yama
2015年07月16日 掲載
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