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独立希望者必見!個人店オーナーからの熱いメッセージ

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鮨 竹半 若槻

店主 若槻 剛史

チャンスは誰にも必ず訪れる。 それを掴む準備はできているか。

チャンスは誰にも必ず訪れる。

若槻 剛史(Takeshi Wakatsuki)

1976年、島根県生まれ。16才で地元の鮨店に修業に入る。10年間、鮨と和食の経験を積み上京。「鮨 竹半」に入社し、竹内明夫氏に師事。2013年、二代目として店を受け継ぎ「鮨 竹半 若槻」をスタート。本年6月、新店「KARUME」のオープンを予定している。

2017年5月掲載

鮨業界に新たな風を送る 新業態の店をオープン

 今年6月、業界に新風を吹き込む注目の店が恵比寿にオープンする。江戸前鮨の名店を受け継いで5年目。常に進化を続けてきた「鮨 竹半 若槻」の店主、若槻氏が新たにプロデュースする「KARUME」だ。

「店名には、価格も量も時間も”軽め”というニュアンスが込められています。扱う旬の食材や一貫一貫へのこだわりは『鮨 竹半 若槻』と全く変わりません。では、何が違うのか。要はトロ、雲丹、蚫などの高級食材をおまかせに入れず、ボリュームも控えめにして、お値段をぐっと下げました。召しあがる時間も軽めになるでしょう。本来、江戸前鮨は”江戸のファストフード”と呼ばれるくらい、もっと気軽に食べられたもの。そこを見直して、値段をもっと抑えられないだろうかと考えました」

 背景には、近年の海産物の高騰という問題もある。仕入れ値の異例な上昇に苦慮している飲食店は多い。

「鮨ネタの高騰が止まりません。高級店で2万5000円から3万円のコース設定になるのも、実際にそれだけの仕入れ値が必要だからです。雲丹1枚を2、3万円で仕入れて使えばもちろん美味しいですけれど、それでずっと競い合うのはどうなのかという疑問もあります。この値段では、若い方はカウンターの鮨店に入るのに勇気が要ると思いますよ。若い人たちが本物の鮨を知るきっかけになれればうれしいですね」

 いわば「次世代のお客様を育てる」試みでもあり、大きな反響が期待される。その一方、若槻氏は気持ちを引き締めている。

「業界的に初めてのことですから、中には厳しい目もあると思います。たとえ反発があったとしても、自分の気持ちをしっかりと持って臨みたい。『KARUME』を成功に導けるかが今後を左右するでしょう」

骨を埋めようと決意した途端

二代目として店を継ぐ状況に

 16才で修業に入って以来、若槻氏はこの道一筋に歩んできた。鍛え上げた技と心で多くの人を魅了し続けているが、今の立場にあるのも偶然と幸運が重なった結果だと振り返る。

「出身地の島根で10年間修業して、江戸前鮨をやるならやっぱり東京ではないかと26才で出てきました。実は、そのとき島根の店ではもう握れていたので、東京で1年くらい経験して箔をつけて戻り、地元で店でも開こうという安易な気持ちでした」

 何の当てもなく単身上京。求人誌を片手に東京中をさまよい、初めてピンときた街が恵比寿だった。

「本当は、先に別の店の面接を受けていたんです。その帰り道、鮨職人募集の貼り紙を見つけて、ここだ! と直感しました。その場で面接していただき、すぐに決まりました」

 いざ働き始めると、名店の技術のの高さに驚かされるばかり。今「できるつもり」でいた分、余計に自分の力量のなさが骨身に沁みた。

「技術レベルも違うし、触ったこともないような魚も多い。地方の鮨は新鮮な生の魚を活かす”お刺身鮨”。江戸前は魚を寝かせたり煮たり蒸したりと必ず手を入れ、仕事をします。笹切りも知らなくて、年下の先輩に馬鹿にされたり、恥ずかしい想いや悔しい想いをいっぱいしました」

 まだまだ「見て覚えろ」の時代、見よう見まねで仕事を覚えるしかない。それでも、積み重ねた経験があればこそ数年のうちに江戸前鮨の技術を確実に自分のものにしていった。

 その後、若槻氏は銀座の大規模店に転職。2年間、見聞を広め、鮨職人仲間との人脈を築いて、再び舞い戻ったとき、既に腹は決まっていた。

「30才という年令になり、『骨を埋めるところを探しています』と親方に伝えると、『ぜひ戻ってこい』と言われました。『店を引き継いでほしい』というお話もいただき、ここで一生がんばろう、親方と女将さんを助けなければという気持ちでした」

 ところが、状況は一変。2週間後、初代店主である竹内明夫氏が病に倒れ、突然店を任される状況に立たされた。

「先の見えない状態でがむしゃらにやるしかありません。先代のお客様に認めてもらうのには時間がかかりました。『親方がいないのならいいや』と帰られるお客様も多くて、あれはつらかったですね。その4年後、先代が亡くなられ、正式に店を継ぐことになりました。常連のお客様に引き継ぎのご挨拶をすると、その方より若い自分に『一緒に年をとっていきたいね。僕が死ぬまで食べさせて』という言葉をいただけたのが本当にうれしかったです」

若槻氏が考えるオーナーシェフとしての心得

若槻氏が考えるオーナーシェフとしての心得

01 気持ちをこめて鮨を握る

02 立ち居振る舞いを美しく

03 チャンスに向けて準備する

若者にチャンスを与えたい Uターンプロジェクトも始動

 二代目として5年目に入った今、若槻氏はいよいよ次のステージに向けて進み出している。

「これまでは受け継いだ店を何とか切り盛りすることに必死でした。順調に伸びて、この先、何をすればいいのかを考えるようになりました。自分の今があるのは先代にチャンスをいただいたから。今度は、自分が今の若い人たちにチャンスを与えていく番ではないかと思い立ちました」

 前述した新店にも「若い人材の育成=握る場を与える」という重要な目的がある。また、鮨店には珍しい週休2日制を導入し、働きやすい環境を整備。さらには、島根県へのUターンプロジェクトもスタートした。

「若い人たちが一歩踏み出すきっかけをつくるために、島根でも人材募集をかけています。人を呼んで、育てて、地元に戻って独立するまでのサポートをしてあげたい。島根と東京をつなぐ手助けができればと思います。そして、ゆくゆくは島根にも出店したいと考えています。宍道湖のきれいな夕陽をバックに握る、そういう場をつくれたら最高ですね」

 自らチャンスを掴みとり、若槻氏は成長と飛躍を遂げてきた。今では逆の立場から成長の場とチャンスを与えながら、それを掴もうともがく若者たちに大きな期待を寄せている。

「チャンスは誰にも必ず訪れるものです。あとは、掴む準備ができているかいないか。いつチャンスがやってくるかはわかりません。二番手で突然、握らなければならない状況もあるでしょう。常日ごろから、備えをしておくことが何より大切です」

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鮨 竹半 若槻

住 所:東京都渋谷区恵比寿西1-16-8 ドロップイン代官山1F

電 話:03-5489-9877

時 間:12:00~13:30(火木土)
17:30~23:30

定休日:日・祝

交 通:各線「恵比寿駅」西口徒歩5分
東急東横線「代官山駅」徒歩7分

H P:http://www.sushi-takehan.com/

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文:西田 知子 写真:ボクダ 茂

2017年04月20日 掲載

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