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独立希望者必見!個人店オーナーからの熱いメッセージ

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コントワール ミサゴ

オーナーシェフ 土切 祥正

心の根底にいつもある、鮨屋の心意気をフランス料理で表現したい。

鮨屋の心意気をフランス料理で表現したい。

土切 祥正(Yoshimasa Tsuchikiri)

1976年、静岡県生まれ。高校卒業後、「下高井戸旭鮨総本店」に入社。その後、西麻布「レリノス」、北海道の「ヘイゼルグラウスマナー」等を経て、「ブラッスリーマノワ」の立ち上げから携わり、4年間勤務。2010年8月に「コントワール ミサゴ」をオープン。

2015年6月掲載

カウンター越しにかけ合い お客様の我がままに応える

 その店名が土切氏のバックグラウンドから志まで、すべてを物語っている。「コントワール」とはフランス語でカウンターの意味。「ミサゴ」は実家の鮨店の屋号を受け継いだもの。カウンター越しにお客様とかけ合いをしながら「あれを食べたい、これを食べたい」という我がままに応える、堅苦しくないフレンチというのがコンセプト。”うまいもの屋”と自ら謳うように、型にとらわれず、美味しさを追求し続けている。

 鮨職人として飲食の世界の第一歩を踏み出した土切氏。めきめきと頭角を現し、3年目にはカウンターに立ち、鮨を握れるまでになっていた。

「早い段階で仕事を覚えて、調子に乗ってしまったんです。魚だけしか扱えないワンパターンがおもしろくなくなってしまって。何よりも常連の方に、もっと気の利いたつまみを出したいと考えるようになりました」

 常連のお客様に悩みを打ち明けたところ、連れて行ってくれたのがフランス料理店。そのときの感動が方向転換を決意させた。間を置かず、カリフォルニア料理店に転職する。

「”和”から離れたかったのですが、鮨屋が好きなことに変わりはありません。ちょっと勉強できればというくらいの気持ちだったのが、始めてみるとどっぷりハマりました。何もかも知らないことばかり。覚えることがいっぱいありすぎて、片っ端から本を読み、休みの日は食べ歩いて、店の人にどんどん質問をしました」

 貪欲に学び、研鑽を積んだ土切氏はフレンチに転向してわずか4年でシェフに就任。とはいえ、ただちに万事順調となったわけではない。

「食通のオーナからケチョンケチョンにダメ出しされて、鼻をへし折られました。ただ、その方のお父さんにあたる理事長には料理をとても気に入っていただけました。いろいろな方を紹介してくださったり、自分の世界を広げることができました」

 その後、オーナーからも認められる卓越した技量を身につけ、「自分の望むコンセプトで店をやっていい」と新店の立ち上げを任されるまでに。物件探しから始まり、店舗を運営し、軌道に乗せるまでを経験してきた。

「だから、この店は2度目の立ち上げのようで楽だったんですよ」

腹をくくって独立すれば

幸せがたくさん待っている

 2010年8月、シェフを務めていた店から「遠すぎず近すぎない距離感」の西麻布日赤通りに店を構える。レストランの少ない場所柄もあり、ランチはたちまち満席に。夜も狙いどおり「自分についていたお客様が来店」し、順調に客足を伸ばしていった。翌年の大震災の折にも、「いろいろなお客様に電話をかけていらしていただき」、最大のピンチを乗り切ることができた。これまでの道のりを振り返り、土切氏は改めて人と人のつながりの大切さを強調する。

「お客様にどれほど良い印象を持っていただけるか、何度も足を運びたいと思っていただけるかが大事。すべては人と人とのつながりです」

 25才からシェフを経験してきたが、雇われの立場とは仕事の責任感やそこから得る喜びが全く違うとも。

「本当に大丈夫なんだろうかと、独立を決めて物件契約するときはビビりましたよ。家族も従業員の生活もある。プレッシャーを感じながら、腹をくくらなければなりません。そのかわり、大きなやりがいのある仕事を与えてもらえる。『美味しかった』『楽しかった』とお客様の喜ばれる姿を、こんなに身近に感じられる商売は他にないでしょう。幸せな出来事がたくさん待っています」

 数ある幸せな出来事の中から、エピソードを紹介してもらった。昨年の土切氏の誕生日のことだ。

「お客様がいきなり『ハッピーバースデー!』と歌い出して、サプライズをしてくださいました。他のお客様まで一緒に盛り上がって、うれしかったですね。いつもバースデープレートをつくって祝う側ですから」

 特別なイベントだけではない。店を切り盛りする何げない日常にも、幸せを噛みしめる瞬間があるという。

「子どもの頃、閉店間際になると、親父がお客様とカウンター越しにお酒を飲んでいる姿をよく見かけました。あのときのリラックスした楽しげな笑顔がずっと印象に残っていたものです。ある日の閉店間際、自分も仲良くなったお客様とカウンター越しに飲んでいて、ああ、これがやりたかったんだと気づきました」

土切氏が考えるオーナーシェフの心得

土切氏が考えるオーナーシェフの心得

01 プレーヤーだけにならない

02 若手にチャンスを与える

03 お客様のニーズに応える

つらい修業ばかりではなく若い人にチャンスを与えたい

 今夏、土切氏は次のステップに向けて着々と準備を進めている。静岡県にある実家の鮨店のリニューアルオープンが控えているのだ。

「父も70才を超え、兄はサービスのほうが専門なのですが『そろそろ俺たちでやろうよ』と話し合ってきました。それがようやく今、形になりつつあります。準備室を設けて、コンセプトづくりから内装や機材などの手配を進めています。料理全体を監修し、鮨に限らず和食の創作料理の店にしようと考えています」

 さらには、スタッフに活躍の場を与えようと、フランス料理での新たな出店も視野に入れている。

「そのためにも、人材を育てていきたいですね。社員にはレシピをそっくり公開して、自分と同じことができるようにしています。仕事をどんどん任せて、大事なところまで教え込んでいます。自分と同じ目線に立てるように、北海道で狩猟を見せたり、フランスにも連れて行きます」

 自分自身を振り返り、つらい修業ばかりではなく、若い人たちにチャンスを与えたいと語る土切氏。その言葉つきからは、仕事にかけるプライドと心意気が伝わってくる。

「ある意味、この仕事はエンターティナーなんですよ。料理をしながら、何もおもしろい話はしなくてもいいけれど、お客様の話を聞けなければいけない。ときには間の手を入れたり、お客様をもてなすには今の社会情勢や遊びだって知っておかなければ。自分の心の根底にいつもある、鮨屋の心意気をフランス料理で表現したいと考えているんです。スタッフには同じ感覚で仕事に取り組んでもらいたい。そういう想いを一緒にしてくれる人が育っていけば、次の展開も見えてくると思います」

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コントワール ミサゴ

住 所:東京都港区西麻布4-17-22 アビターレ西麻布2F

電 話:03-6427-3376

定休日:日曜日

時 間:火~金12:00~13:30(L.O.) 18:00~21:00(L.O.)
月・土・祝日18:00~21:00(L.O.)

交 通:地下鉄各線「表参道駅」徒歩15分

H P:http://missago.com/

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文:西田 知子 写真:ボクダ 茂

2015年06月18日 掲載

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