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独立希望者必見!個人店オーナーからの熱いメッセージ

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Restaurant REIMS YANAGIDATE

オーナーシェフ 柳舘 功

フランスでは挫折した。だからどんな仕事でも、自分で掴んでいった。

フランスでは挫折した。

柳舘 功(Isao Yanagidate)

1962年、東京都生まれ。中央大学卒業後、青山「ポワロー」にて修業をスタート。1987年、渡仏。「スーロリヴィエ」、「レカミエ(一ツ星)」、「タイユヴァン(三ツ星)」、シャンパーニュ地方ランス「ボワイエ(三ツ星)」で実績を積む。帰国後、「ポワロー」に戻り、料理長就任。1997年、青山に「レストラン・ランス・ヤナギダテ」をオープン。

2015年6月掲載

チャンスをくれた店。 働く喜びを与えてくれた店。

 柳舘氏が修業をスタートし、フランスへ渡ったのは1980年代。日本はバブル景気に沸き、フランス料理という華やかな食のスタイルも人気化していた。飲食業で働きたい若者が連日、高名なレストランでの就職口を探すのだが、希望者が多すぎて「待ち」の状態。そんな時代だった。

 柳舘氏が入ろうとしたフレンチレストランも、就職希望者が行列をなすような状況だった。

 ある面接で、レストランオーナーからこんなことを言われたこともあった。

「君は大学出たんだ?そんな人が職人になんてなれないよ」

 柳舘氏は言い返す。

「給料なんていらないから、働かせてください!」

「ほうらね、君は親から生活費をもらうつもりなんだろう? 甘い考えだね」

 当時を振り返りながら、柳舘氏は豪快に笑う。

「大学を出たことがマイナスに見られました。でも、だからこそようやく『ポワロー』に入れたときは、嬉しかったなぁ。働ける喜びに、毎日ワクワクしましたよ。早朝4時には店に入って、必死で仕事に取り組みました」

 2年半の経験を積んで、フランスへ渡ろうと決意したとき、オーナーにその旨を伝えると「今行かれると、店が困る」と言われた。

「あのとき、『いや、僕は行きます!』と意思を貫くことだってできた筈なんです。でもそれは社会人としてどうだろうって思ったんですね。働くチャンスをくれた店。働く喜びを与えてくれた店に、自分の都合だけで背を向けるようではダメだろうと。結局、そこでしばらく仕事をつづけ、フランス語の勉強もしながら渡仏の時期を待つことにしたんです。あの決断がなかったら、今の私はいなかったと思っています。人の恩を大切にして、筋を通すことが、この仕事の原点であり、今でも私を支えている哲学なんです」

運命を、自らの気持ちと行動力で

引き寄せた。

 シェフをめざす人でも、サッカーや野球の頂点をめざす人でも、今では海外でチャンスを掴むことが当たり前の時代となっている。しかし、柳舘氏が渡仏した当時は、自分がどう振る舞い、周囲とコミュニケーションを取ればいいのか、そういうことを教えてくれる人もいなかった。実際、日本で学んだフランス語はまったく通じなかった。

「人生ではじめて挫折を味わいましたね。レストランに入ったまではよかったけど、日本人に何ができるんだ?みたいに白い目で見られていました。キッチンスタッフたちは私を見てヒソヒソ話(笑)。完全に孤立しました。ただ、フランスの素晴らしいところは、仕事ができれば国籍、年令、性別に関係なくチャンスをくれる国なんです。それで、仕事を一つひとつ、自分で掴んでいったんです」

 ずらりと並んだ野菜や魚を先輩たちの数倍ものスピードで下処理していった。一つひとつの仕事で周囲を驚かせ、自分のポジションを掴んでいったのだ。

「最近の人は、『僕はこの店に入ったら、どんな仕事をさせてくれるのでしょうか?』なんて言うけど、おかしな質問だと思うんです。仕事は自分で掴むものでしょう?」

 自分からコミュニケーションを取ることで、周囲から好かれる存在になろうと努力した。

「新しいレストランに入ったら、全員に『ボンジュール!』って大げさに笑顔をつくって、握手して回ったりね。仕事ができるだけじゃなく、仲間意識をもってもらえるように明るく振る舞ったのもよかったと思います」

 小さな仕事ひとつでも全力で成し遂げることで周囲の注目を集め、コミュニケーション能力でチームに溶け込む。こうした言動がやがて、三ツ星レストラン「タイユヴァン」のシェフ、クロード・ドゥーリー氏との出会いを生む。

「タイユヴァンの裏口で夜中、履歴書を握りしめて待っていたんです。そうしたらいきなり、ドゥーリーシェフが出てきた(笑)。三ツ星のシェフですよ。で、働かせてください!って言ったら『あぁ、2週間後に欠員がでるから来なさい』。えっ、俺が三ツ星レストランで働けるの?(笑)。信じられなかったです」

 運命を自らの気持ちと行動力で引き寄せたのだ。

伊藤氏が考えるオーナーシェフの心得

柳舘氏が考えるオーナーシェフの心得

01 「やりたいことをやってるか?」を問う

02 探究心、向上心

03 謙虚に、人とつながること

リニューアルのとき、巣立ったシェフたちが手伝いに。

 東京・青山、紀伊國屋の路地を1ブロック入ったところに一軒家レストラン「レストラン・ランス・ヤナギダテ」が佇んでいる。

 緑が心地よいアプローチから店内に入ると、サンルームのようなガラス張りのオープンキッチンから、柳舘シェフが手を振ってくれた。

 若いスタッフたちが柳舘シェフの指示によっててきぱきと動く。スピードと集中力が要求されるチームのようだ。

「ロッカールームでおしゃべりしながらゆっくりと着替えてると、私は怒るんです(笑)。仕事が終わったら、すぐに帰宅しなさい。そして朝からベストコンディションで仕事に臨みなさいと。時間のメリハリを大切にしてほしいからです」

 経営者として、直営店も展開し、何人ものシェフを育ててきた。内装のリニューアルのとき、柳舘氏のもとから巣立ったシェフたちが手伝いに来たほど人から慕われ、絆を大切にしている。

「みんな独立を考えているわけです。私は彼らをシェフとして育てるだけでなく、長年愛されるレストランをつづけられる強い経営者としても成長させたいと思っています。だからしつこく何でも言います。着替えるスピードにも口出しします。今、私は悪魔にみられるかもしれない。でも、彼らがオーナーシェフになったとき『あぁ、柳舘さんは最高の優しい人だったんだ』と思ってもらえるようにしたいんですね。だって、独立して失敗なんてことになったら、そうさせてしまった私のやり方の方が悪魔でしょう?」

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レストラン・ランス・ヤナギダテ

住 所:東京都港区北青山3-10-13

電 話:03-3407-3538

定休日:月曜日

時 間:ランチ 12:00~14:00(L.O.)
ディナー 18:00~21:00(L.O.)

交 通:地下鉄各線「表参道駅」徒歩1分

H P:http://www.reims.co.jp

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文:高木 正人 写真:yama

2015年06月04日 掲載

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