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独立希望者必見!個人店オーナーからの熱いメッセージ

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Bambolina

オーナーシェフ 山田 理

お客様に守られて、今があるんです。
裏切るような真似は決してできません。

お客様に守られて、今があるんです。

山田 理(Osamu Yamada)

1960年、長野県生まれ。調理師学校卒業後、洋食レストラン、レストランパーラー等で経験を積む。1990年、公邸料理人としてポルトガルへ。帰国後、「Bambolina」のシェフを務める。2012年1月、前オーナーから店を引き継ぎ、現在に至る。

2015年3月掲載

男性9割、常連7割の特殊な立地 お客様一人ひとりを大切にしたい

 日本経済の中心地、兜町。株式相場の代名詞ともされる、この街の一角に老舗洋食レストラン「Bambolina」は佇む。9割が男性客、そのうち常連が7割を占める特殊な立地。「土日には猫しかいない街」なればこそ、オーナーシェフの山田氏はお客様一人ひとりを大切にすることを常々心がけているという。

「まず、お客様の名前を忘れるようでは絶対にダメです。会社も役職も必ず覚えます。領収書を書くとき、すぐに社名が出てくるようでなければなりません。その上で、『何々さん』と名前を呼んでさしあげれば、お連れの人たちも『すごいね』となって、お客様の顔が立つでしょう」

 間もなく創業40年を迎え、”元祖サイコロステーキの店”として広く知られている。料理の美味しさは言うまでもなく、ドリンク類の意外なリーズナブルさも人気の秘けつだ。

「チェーン店にはできない価格帯で提供させてもらっています。『ジョニ赤290円はないだろう』と、お客様によく言われるんですけれど、アルコールで利益を出そうなんて考えちゃいけない。水商売なんですから、水はくれるもんですよ(笑)」

 そんな軽妙な語り口も、多くの人たちを惹きつける魅力にちがいない。思わずそう感じさせられるが、実は山田氏がお客様と直接応対するようになったのは3年前。長年、厨房には立ってきたものの、前オーナーから店を引き継ぐまでは「寡黙な”頑固コック”そのまま」だったとか。

「もともと、接客もおしゃべりも大好きでした。お客様の求めるものがわかるので、できれば毎晩、ホールに出ていたいくらいです。今日は料理にニンニクをたっぷり入れてびっくりさせようとか、カレーを驚くほど大盛りで出して『食べられなかったら罰金だよ』と常連の方に言ってみたり(笑)。いつも、何とかしてお客様を喜ばせてあげたいと考えているので、毎日が楽しいですね」

自分の責任で、すぐに判断して

挑戦できるのがオーナーの醍醐味

 2012年1月、看板を下ろして解散という話が進んでいた店を山田氏が引き受けたのは他でもない。シェフとして「自分がつくってきた店」という自負があったからだ。

「今から自分で他に開業する体力もありませんでしたし、ここは絶対に守りぬこう、やれるところまでやってみようと思いました。それでも、マイナスからのスタートでした」

 伝統ある老舗を受け継ぐには「プレッシャーも大きかったのでは?」と問いかけると、「それはありません」と、涼しい顔でさらりと答える。

 かつて公邸料理人としてポルトガルへ渡り、大統領や大臣など各国の要人をもてなす料理を手がける貴重な経験をしてきた山田氏。そうして積み重ねたものが、すべて店づくりに役立っているのだろう。

 オーナーとなった後、すぐさま、さまざまな改革に取り組んでいく。

「無駄な経費をなくすために、照明をLEDに変えたり、製氷機を新しく買い替えたりしました。それだけでも、毎月の電気代や水道代が大幅に下がりました」

 そして、前述した「お客様一人ひとりを大切に」という視点から新たなサービスを充実させていった。

「お客様が4、5人で来られたときには、ワインをボトル1本サービスしています。常連さんに対しては、2人でもお出しする場合もあります。そういうときも、すぐにその場で判断できる。失敗したら、自分で責任をとればいい。いろいろなチャレンジをできるのが、オーナーシェフの醍醐味だと思います」

 ディナータイムには、まさに経験が活きるポルトガル料理のメニューも加わった。ただし、やみくもに変えればいいというのではない。守るべきところはしっかりと守り通すというのが、山田氏のポリシーだ。

「ステーキのソースだけは、何があっても崩さないようにしています。いろいろ試してもいいけれど、脱線はできない。なんとかしなければと焦っても、そば屋がピザを出すようなことはしちゃいけないですから」

 老舗ならではの何年も通いつめるお客様も多い。その人たちを裏切るような真似だけはしたくないという。

「一番長いお客様は25年。70才を超えて、退職した後も毎年、何十人も連れてきてくださる。そういう方が2組いらっしゃいます。要は、『会社の前にあったBambolina』で、みんなが集まれるんです。そういう人たちにいつも助けられ、守られてきました。人がまた人を呼んでくれて、今があるのですから、お客様を裏切ったら終わりですよ」

山田氏が考えるオーナーシェフの心得

山田氏が考えるオーナーシェフの心得

01 人を裏切らない

02 感謝の心を忘れない

03 天狗にならない

ソースを全国で販売するのが目標 後継者の育成にも力を注ぎたい

 40年近く、お客様の支持を集めてきた「Bambolina」の一番人気メニュー”元祖サイコロステーキ〟。その美味しさを一段と際立たせるソースを多くの人たちに知ってもらうのが、山田氏の今後の目標である。

「ソースが鉄板の上にかかると野菜の自然な甘みが出て、ステーキと調和がとれるんですよ。水が入っていなくて、常温で1年もつのが特徴。どこかの工場のラインを借りるなどして、全国区で販売したいと考えています。それで儲けようなんていうのではなく、日本中の人にこの味を届けたいと思っているんです」

 現在、55才。「自分ではあと15年、現役でがんばれると思う」と語りながらも、後継者の育成という大きな課題も待ち受けている。

「今のところ、まだ3代目がいないので、何とか人を育てていきたいですね。来るものは拒まず。縁があって、当店で働いてくれる人たちに感謝し、期待しています」

 もっとも、全く心当たりがないというわけでもないらしい。お孫さんの話になると、山田氏の表情は途端に和み、笑顔をほころばせた。

「まだ小6なんだけれど、最近、料理に目覚めてきたみたいでしてね。ついこの間も、焼きそばを教えた通り、ちゃんとつくってくれたんですよ。キムチチャーハンも上手につくれるようになりました。休みの日になると、『また教えてやるから、何がいい?』『僕はスパゲティがいいな』なんていうのが続いています。孫の成長が、今から楽しみです」

Bambolina

Bambolina

住 所:東京都中央区日本橋兜町9-2 B1F

電 話:03-3669-2049

定休日:土曜・日曜・祝日

時 間:10:00~15:00(L.O.14:30)
16:30~22:30(L.O.21:30)

交 通:地下鉄各線「茅場町駅」より徒歩1分
地下鉄各線「日本橋駅」より徒歩2分

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文:西田 知子 写真:ボクダ 茂

2015年03月19日 掲載

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