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独立希望者必見!個人店オーナーからの熱いメッセージ

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東白庵かりべ

店主 苅部 政一

種をいっぱい播いてきたのが、
ようやく芽吹いてきました

種をいっぱい播いてきたのが、

苅部 政一(Masakazu Karibe)

1975年、埼玉県生まれ。高校卒業後、「新宿調理師専門学校」で学ぶ。その後、千葉県・柏の名店「竹やぶ」で16年間の修業を積む。柏本店、恵比寿店、箱根店勤務を経て、六本木ヒルズ店の店主を務める。2011年9月、神楽坂に「東白庵かりべ」をオープンする。

2014年3月掲載

伝統の味を脈々と受け継ぐ そばの新たな名店の誕生

 美食の街、神楽坂ー数多くの飲食店が軒を連ね、路地裏には個性あふれる名店が点在する。そんな地にふさわしい趣をたたえ、小路の奥に「東白庵かりべ」はひっそりと佇む。

 柏のそばの名店「竹やぶ」で修業を積み、六本木ヒルズ店で店主として腕を振るった苅部政一氏が独立。2011年の開店以来、時代を担う名店の誕生と注目を集めてきた。

「今までは店の味を守らなければなりませんでした。アウトコースぎりぎりでも、『竹やぶ』のストライクゾーンの中でつくってきました。それも自分でやるとなれば自由。つゆに昆布を使ったり、うす削りを入れて香りを立たせたり、いろいろやってみましたが、結局はもとに戻りました。やっぱり慣れ親しんだ味がいいということを発見できたんです」

 お客様に「変わらないね」と言っていただけるのが一番うれしいと笑顔を見せる苅部氏。伝統の味は脈々と受け継がれていくにちがいない。

 遡れば、苅部氏の「竹やぶ」での修業期間は16年に及ぶ。歴代2位の古株だったとか。「独立開業しない」選択肢も視野に入れていたという。

「やりがいがありましたし、脚光を浴びることもありました。こうして続けるのも人生のひとつだなと思っていました。でも、仲間や後輩が独立して自分の名前で活躍するのを見ていると、自分もそうしたいという気持ちが芽生えてきたんですね。今、こうして自分の店を構えてみると、六本木でも自分の店のつもりで取り組んでいたはずなのにやっぱり違うんですよ。『竹やぶ』の主人に伝えると、笑いながら『そうだろう』と頷かれました。子どもを産んだ痛みは母親にしかわからないように、店を持つ喜びもつらさも独立して初めてわかるものなんでしょうね」

お礼奉公の最後の最後

憧れの天ぷらそばに感涙

 そもそも、苅部氏が「竹やぶ」に弟子入りしたのには運命的な出会いがあった。当時18才、2月の終わりになっても就職先の定まらない専門学校生だった。父親にすすめられて訪れた有名店の店構えに気圧されながらも、勇気を出して入ってみた。

「天ぷらそばとせいろそばを食べて感動しました。今なら技術的なこともわかっているので頭で考えようとするかもしれませんが、何も知らなかった自分が感動できたこと自体がすごいと思います。これをつくりたい、絶対にここだと決めました」

 すぐに駅前の公衆電話から「感動したので、自分を使ってください」と申し出たところ、偶然にも電話を受けたのが店主の阿部氏だった。

「ミーティングの席に座らせていただき、大先輩方の前で『どうしてもここで働きたいんです』と訴えると、その年の新入社員はもう決まってしまっているとのことでした。それでも、あきらめずに『1年間待ちますので来年になったら入れてください』と伝えると、『明日から来なさい』と言っていただけました」

 そこから、「厳しいのは当たり前」の毎日が始まった。日を重ねるごとに5人の同期は1人減り、2人減り、気がつけば誰もいなくなっていた。

「1人辞めるたびに仕事が増えていきました。日に日にきつくなり、結局、最後は5人分のはずなのに、こなせているんですよね。技術も少しずつですが、身についていきました」

 さらに8年の月日を経て、次のチャンスが訪れる。六本木ヒルズ店の店主に就任することになったのだ。

「主人が六本木につきっきりで、叩き込んでくださいました。1年経ったところで『もう好きにやっていいよ』となったときには不安もありましたが、お応えしなくてはいけないと感じました。それから後もいらっしゃるときは必ず有名なシェフや料理人のトップと呼ばれるような知り合いを連れてこられるんです。『これは良くない』、『量が多過ぎる』などと言われていたのが、だんだん少なくなって8年目。帰り際に『今日は苅部らしい、やさしい料理だったよ』と何も指導していただくことがありませんでした。うれしくもありましたが、これで修業が終わりなんだなと寂しい気持ちになりました」

 いよいよ自店のオープンが目前に迫る中、苅部氏は最後の”お礼奉公”に。2日間泊まり込み、朝の掃除に始まる弟子の務めを果たしてきた。

「最後の最後に、お客様として天ぷらそばを食べさせてもらいました。主人が揚げてくれた天ぷらはいつも海老が4貫なのに、そのときは5貫入っていたんですよ。このそばに憧れて、ここで修業してきたんだと思うと涙が出てきました。その自分の姿を見て、パートのおばちゃんたちまでみんな泣いていましたね(笑)」

苅部氏が考えるオーナーシェフの心得

苅部氏が考えるオーナーシェフの心得

01 お客様の目線に立つ

02 結果は後からついてくる

03 自他共栄

若い人材の成長と活躍がこれからの自分の喜びになる

 インタビューの締めくくりに、今後の抱負をうかがうと、苅部氏は少し困ったような顔をしてみせた。

「今の店を楽しくやっていきたいというだけです。支店を出したいとか、海外に進出したいとかもない。その質問が一番困るんですよ(笑)」

 ただし、楽しみにしていることはあるという。若い人材の成長だ。

「六本木の店から一緒だった二番手の彼が今年、独立します。また新しい人が来て、ここで修業して、巣立っていくんでしょうね。そういう人たちの活躍が、これからの自分の喜びになっていくのだと思います」

 一方、現在は母校の「新宿調理師専門学校」で講師も務める苅部氏。恩師と一緒に教壇に立つ機会にも恵まれ、後輩たちにメッセージを送ったという。その熱い言葉は、同じ飲食の道を志す皆さんの胸にもきっと響いてくることだろう。

「20年前はただの夢でした。毎日、一歩ずつ夢に近づき、振り向いたらこうなっていました。自分の店を構え、母校で恩師と同じ場所に立っている。20年前は生徒の側だったのが、不思議な気がします。将来、きみたちもこっち側に立ってもらいたい。それには焦らず、チャンスをつかまえることです。ただし一発投げれば当たるというものではありません。種をいっぱい播いたなかから、ようやく1つの芽が出てきたんです。たくさん行動して、種を播きましょう。そして、人とのご縁や目に見えないものを大切にしてください」

東白庵かりべ

東白庵かりべ

住 所:東京都新宿区若宮町11-7

電 話:03-6317-0951

定休日:水曜日

時 間:平日11:30~14:30(L.O.)、18:00~22:00(L.O.)
日祝11:30~21:00(L.O.)

交 通:各線「飯田橋駅」・地下鉄東西線「神楽坂駅」徒歩5分

H P:http://touhakuan.jp/

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文:西田 知子 写真:ボクダ 茂

2014年03月20日 掲載

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