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独立希望者必見!個人店オーナーからの熱いメッセージ

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REGALO(レガーロ)

オーナーシェフ 小倉 知巳

32才の料理は、32才でないとつくれないと思ったんですよね。

32才の料理は、

小倉 知巳(Tomomi Ogura)

1977年、東京都生まれ。大学時代に調理師免許を取得。都内のイタリアンレストランで1年勤務の後、3ヶ月間のイタリア滞在。帰国後、イタリアンを展開する企業で2年間。幡ヶ谷の「ディリット」で4年間、生涯の師匠、坂内正宏氏から多くを学ぶ。2008年9月、富ヶ谷に「REGALO」をオープン。

2013年12月掲載

大量の仕込み、仕事量で鍛えられた修業時代

 スピード感に溢れている。ディナーの仕込みも、フライパンを振るときも、会話も実にスピーディ。こちらの質問にも考え込むことなく、すぐに返事を返す。語り口も流暢で滑らか、たっぷりと話してくれる。徳島県から到着したばかりの牛肉の大きな塊も、スピーディな包丁さばきでせっせと小分けにしていく。

「せっかちな性格です(笑)。前職の『ディリット』時代、坂内シェフから学んだことのひとつが、仕事量への対応力でした。とにかく仕込む量がすごく多くて、効率を考えながら勢いをもって仕事をしていかないと追いつかない。とても鍛えられました。その坂内シェフも32才で独立したと聞いて、じゃあ自分も32才で独立しようかなと(笑)。それに、32才の料理は、32才でないとつくれないと思ったんですよね」

 代々木八幡という高級住宅街の立地ということもあり、近所の徒歩圏のお客様か、電車をつかってわざわざ来店するお客様か、大きくふたつに分かれた。そこで考えたのが、タクシー代のキャッシュバックサービスだった。

「ディナー時でお支払いが現金のお客様には、お1人様500円までのタクシー代を当店が負担するというサービスにしたんですね。これによって、原宿駅や渋谷駅からお気軽にタクシーでお越しいただけるようになれたらと思っています」

 オープン当初は、おまかせコース1本だった。その後、プリフィクススタイルを導入し、今ではリーズナブルなランチもはじめている。つまり、お客様の嗜好やニーズをしっかりと見極めて、店のスタイルをつくってきたのだ。

「お店とお客様の関係って、恋愛に似ていると思うんですよね。あのリストランテなんかいいよね、とか、また行きたいね、と気軽に思っていただけるように、インスピレーションをもって店づくりを考えています。それって、マーケティングともちょっと違って、もっと感覚的なものなんです」

ひと皿の料理に、その国その地方の

アイデンティティがある

 オープンして5年、36才になった小倉シェフは、36才の自分にしかつくれないイタリアンをつくっている。

「塩加減ひとつを取っても、今の自分の感覚を大切にしています。自分が好きなイタリアン、本当に食べたいと思うイタリアンを表現しています。自分が信じられるものをつくろうとしないと、結果的にいいものにならないんですね」

 スタッフを連れて年に一度、イタリア研修旅行に行く。そこで体験する刺激がとても大事だと語る。

「市場やワイナリー、リストランテに行って、イタリアならではの色彩や独特の香り、人々の笑顔や町の情景に包まれると、あっそうそう、イタリア料理ってこうだったよねって思い出すんです。忘れているつもりはないけれど(笑)、やっぱり実際に現地に入ると感覚で思い出すことっていっぱいあります。料理って、その国、その地方のアイデンティティが詰まっているでしょう。アラビアータなどを食べると、これぞイタリアのアイデンティティだと感動するんです。そうやってまた新鮮な気持ちに戻って帰国すると、自分らしい、自分が好きなイタリアンをつくろうと思えるんです」

 海外に出たとき、道に迷ったり、言葉が通じなかったり、思い通りにならないことに遭遇することがある。それも小倉シェフにとっては、ある種の刺激であり、忘れかけていた感覚を取り戻す楽しい体験となる。日本にいる日常のシーンでも、できるだけ刺激を自分に与えるように暮らしている。

「ひと皿の料理にも、人格というかアイデンティティがあると思うんですね。とくに心がけているのは、あえて洗練されたイタリアンを目指さないこと。ベールで覆ったようなひと皿や、味を均等にならしたような料理にも興味がないんです。私の料理はあえて言うなら、少しでこぼこしています(笑)。でも、それが自分の料理のアイデンティティなんだと思っているんですよ」

小倉氏が考えるオーナーシェフの心得

小倉氏が考えるオーナーシェフの心得

01 自分のスタイルを大切にする。

02 健康であること。

03 毎日を刺激的に生きる。

返事が早い、声が大きい、よく笑う。そういう人が成長する

 毎日、さまざまな年代のお客様が来店し、賑わいをみせている「レガーロ」。正面テーブル席からも見えるオープンスタイルのキッチンでは、スピーディに動く小倉シェフの姿がある。

「実は、レストランという文化について少し心配なこともあります。このままでいくと、ちょっとオシャレして、大切な人とレストランで食事をしようという世代がいなくなってしまうのではないかと思うことがあるんです。とくに二十代、三十代の若い世代は、本人たちが十年後、二十年後、レストランを必要としなくなるのではないかと、不安な面もあるんですね」

 リーズナブルに1300円でランチを設定したり、特定の条件のもとでタクシー代を一部負担したり、食堂のような明るい空気感のなかでリストランテならではの料理を提供するなどの工夫は、そうした危惧を抱く小倉シェフの想いをカタチにしたものなのだろう。「レストランにおでかけするって愉しいね」と、感じてもらえることが小倉シェフの喜びなのかもしれない。

「今後は、オーナーシェフとして、次の世代のシェフを育てていきたいですね。修業時代には経験も技術もいらないんですよ。返事が早い、声が大きい、よく笑う。それだけでいいんです。そういう人間は周囲から愛されます。だからいろいろと教わることもでき、吸収できる。そう思うんですよ」

 人材不足のなか、繁盛店ならではの忙しさがつづく「レガーロ」。でも、小倉シェフはそんな日常がかけがえのない喜びだと思っている。

「朝早く起きて二日に一度築地に行き、ランチをやって、仕込みして、ディナーをやって、仕事帰りに近所のバルで一杯やって、帰宅して娘の寝顔を見て、奥さんとすこしおしゃべりして、眠りにつく。そんな今の生活がすごく気に入っているし、満たされています」

OsteriaRyuka

REGALO(レガーロ)

住 所:東京都渋谷区富ヶ谷2-9-13 ワイズファースト1F

電 話:03-5875-8554

定休日:毎週水曜日、最終火曜日

時 間:ランチ12:00~14:00/ディナー18:00~21:30

交 通:「代々木八幡駅」、地下鉄「代々木公園駅」徒歩8分

H P:http://www.regalo-ristorante.com/

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文:高木 正人 写真:ボクダ 茂

2013年12月05日 掲載

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