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独立希望者必見!個人店オーナーからの熱いメッセージ

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炭焼き よし鳥

店主 吉本 憲司

今でもがけっぷちを歩いている、そう思っています。

吉本 憲司(Kenji Yoshimoto)

1968年、東京生まれ。16才から焼き鳥を学ぶ。1986年、浅草の駒形どぜう系列鶏専門店「串助」入店、焼き場を任される。1996年、銀座の焼き鳥店に入店、10年間修業。2006年、青森シャモロックを使った焼き鳥「炭焼き よし鳥」オープン。「ミシュラン東京」で4年連続、星を獲得。

2013年3月掲載

オープン当初、来客ゼロの日も。 それでもベストをつくした

 修業時代、10名分ものまかないを毎日担当させられた。座って休憩する時間など全くなかった。じぶんの弁当は、時間がもったいなくて噛まずに飲み込んだ。そのあとすぐに大量の串打ちの仕込みが待っているからだ。

 独立後、「炭焼き よし鳥」オープン当初は、週に1日は来店客がゼロという状態がつづいた。それでも同じようにベストの仕事を繰り返した。深夜、家に帰って睡眠を取ろうとしても、神経が高ぶって眠れない。そんな時期が2年もつづいた──。

 ねばり強く、負けずぎらい。毎日が直球勝負。それが「炭焼き よし鳥」の店主、吉本憲司氏だ。

「当初、来客がないからといって、クーポンに頼るようなことはしたくなかったんですね。焼き鳥を美味しく提供することだけに集中していました。いつの日か、青森シャモロックは『炭焼き よし鳥』が先駆けだったねと、お客様に言われるように。その強い想いだけで、やってきました。じぶんはガンコな性格なんでしょうね(笑)」

 16才のアルバイトで、はじめて焼き鳥を経験。今では、串打ちの仕込みに計量機は使わず、指先の感覚だけで正確に串を打っていく。香ばしく焼きあがり、お客様の口に入る瞬間までをイメージしながら、一本ずつ丁寧に仕上げていく。

 営業時間ともなればカウンターの正面、紀州備長炭を使用した焼き台に立つ。焼く仕事に集中するため、お客様とのおしゃべりはほとんどしない。それでも、神経はすべての席にそそがれている。

「香ばしさとジューシーさを意識しています。黙々と仕事をするので、怖がられることもあります(笑)。修業時代からさまざまな種類の鳥肉をあつかってきましたが、この青森シャモロックは独特の肉質で、4年ぐらいしてからようやく慣れてきましたね」

青森シャモロックとの出会い。

素材をもっと美味しくするために

 「炭焼き よし鳥」のオープン前、焼き鳥の決め手でもある素材選びを行った。さまざまな鳥肉を試した結果、吉本氏がほれ込んだのは、青森シャモロックだった。宮内庁、御料牧場へ出荷され、晩餐会などで使われる極上の品種である。

「青森の養鶏場へ伺い、飼育方法、環境などをじぶんの目で見て、これならいけると確信しました。とにかく生産者の方がほんとうに愛情をもって飼育されているんですね。まさに手塩にかけて育てている、という姿でした。話し合いが終わり、私が帰るとき、その生産者が『私たちのこの鳥で美味しい焼き鳥を提供してください!』と言っていただき、よしっ、がんばるぞ!と身が引き締まる想いがしたものです」

 看板メニューのひとつが「ねぎま」である。その希少性からひとり一本しかオーダーできず、無くなりしだい売り切れとなる。

 素材を厳選することはとても重要なことだ。しかし、吉本氏は言う。

「いい鳥肉を仕入れたからといって、いい焼き鳥ができるわけではありません。串打ち、塩、火加減、そしてタイミングなど、そこにはいくつもの美味しくなるための過程があります。いまでも、毎日必死に考えながら仕事をしていますよ。もっと美味しくなる串打ちの方法はないだろうか。もっと香ばしくジューシーに焼ける焼き方はないだろうか。そういうことにはガンコでありつづけたいですね」

 今でも毎年、京都の料亭に行き、京料理にふれる。そこで新しいヒントを得て、じぶんの仕事に反映させようとする。違うジャンルの業態から学ぼうとする、謙虚で柔軟な姿勢がそこにはある。

吉本氏が考える店主の心得

吉本氏が考える店主の心得

01 毎日が直球勝負

02 ねばり強く、へこたれない精神

03 違うジャンルの業態から学ぶ

修業時代の方が楽だった。経営者になった今、そう思う

 焼き鳥は、秒単位で焼き加減を調整するとても繊細な仕事だ。さらにL字型のカウンターとテーブル席すべての状況を見ながら、タイミングよく焼き上げなくてはならない。

「すべてのお客様を見ながら焼きます。例えば、お酒を飲んでいる人と、ウーロン茶の人では感じる塩加減も違うんですね。だから塩の振り方も変わってきます。部位や召し上がる順番によって、焼き加減も変えます。目配り、気配りあるのみ。それと、接客サービスのタイミングも大切ですよね。『すみませーん』とお客様に言わさないように、スタッフ全員で心がけています」

 おまかせ5本コース、おまかせ7本コースは、オープン当初から価格を据え置きにしているのも、お客様の立場に立って、店づくりを考えているからだ。

 クチコミで人気店となり、メディアでも高く評価されている「よし鳥」。経営者となった今でも、きびしかった修業時代を振り返ることがある。

「時間がもったいなくて、まかないを噛まずに飲み込んでいた時代の方が楽だった。あれやれ、これやれと怒鳴られながら、休憩時間もなかった時代の方がどんなに楽だったか。経営者になってみて、つくづくそう思います。組織の中で雇われて給料いただいて仕事をするって、とても楽なことなんです。独立した後の方が辛いんです。店をつづけるってことは、中途半端な気持ちではできません。明日パタッと客足が減るかもしれない。そういう危機感と毎日向き合いながら、仕事をする方が辛くて大変なことなんですよ。私なんて、今でもがけっぷちを歩いている、と思っていますからね」

 それでも、吉本氏に悲壮感はない。むしろ楽しく仕事をしているように見受けられる。そして若いスタッフと肩を並べて串打ちをする姿は、真剣そのもの。ねばり強く、負けずぎらいな性格がそうさせているのかもしれない。いや、実はそれだけではなかった。

「私は焼き台の前で黙々と焼き鳥を焼くわけです。でもね、お客様がひとくち焼き鳥を口に入れて美味しそうにうなずいたり、うまいねとお客さん同士で語り合っていたり。そういうしぐさや言葉って、どんなに仕事に集中していても、不思議なものでこちらに届くんですよ。それがパワーの最大の源なんです」

炭焼き よし鳥

炭焼き よし鳥

住 所:東京都品川区東五反田1-12-9
イルヴィアーレ五反田ビル2F

電 話:03-5793-5050

定休日:日曜日・祝日

時 間:17:00~23:00(22:30L.O.)

交 通:各線五反田駅徒歩3分

H P:http://www.yoshichou.info

文:高木正人 写真:ボクダ茂

2013年02月07日 掲載

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